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CL決勝、トッテナム完敗の要因は…。鍵となった“2つの刃”、リバプールが体現した「攻撃は最大の防御」

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

立ちはだかるアリソン

 立ち上がり、お互いの入り方に大きな注目をしていたが、思わぬ形で試合が動くことになる。開始わずか25秒、左サイドでボールを受けたサディオ・マネがクロスを上げると、これがムサ・シソコの手に当たったとしてPKを献上。これをモハメド・サラーに決められ、トッテナムはあっという間に先制ゴールを与えてしまった。

 その後は、反撃に出たいトッテナムがボールを握る。クリスティアン・エリクセン、デレ・アリ、ソン・フンミン、ケインといった前線の選手は距離をコンパクトに保ってスムーズにパス交換を行い、リバプールの守備陣をうまく剥がそうと試みていた。

 だが相手の粘り強い守備に大苦戦したトッテナム。ケインは完全に封じられ、なかなかシュートまで持ち込むことができない。反対に、フィルジル・ファン・ダイクらから繰り出される一本のロングフィードでマネやサラーに背後を取られ、ゴール前まで持ち運ばれるといったシーンが多く見られた。

 前半はわずかシュート2本に抑えられたトッテナム。スコアこそ0-1と大差なかったが、リバプールに対しどこかうまくいっていないといった感覚は、選手、監督にもあったことだろう。

 それでも後半、トッテナムは前半より多くのシュートを放つことになる。流れが変わったのはウィンクスに代えルーカスを投入してからだ。この交代を機に、トッテナムの攻撃はよりスムーズに行えるようになり、同チームは全体でリバプールを押し込んだ。

 だが、立ちはだかったのはGKアリソン。幾度となくビッグセーブを見せ、トッテナムにゴールを譲らない。ソン・フンミンやルーカスらは何度か惜しいシュートを放ったが、それもすべてブラジル人GKを前に無と化してしまった。

 反撃のキッカケが欲しいトッテナムだったが87分、途中出場のディボック・オリギにゴールネットを揺らされ、万事休す。試合はこのまま0-2で終了している。

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