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脳震とう診断のための“一時的選手交代”を導入へ。UEFA会長がルール改正へ提言

text by 編集部 photo by Getty Images

チェフェリン
UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長【写真:Getty Images】

 欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長は、選手が頭部を負傷して脳震とうが疑われる場合に適用する「一時的選手交代」の導入に向けて国際サッカー連盟(FIFA)および国際サッカー評議会(IFAB)と協議を行っていく意向を表明した。英紙『デイリー・メール』が伝えている。

 選手がプレーの中で頭部を打った場合、脳震とうを起こしたかどうかをドクターが確認するため、控え選手と10分間のみ交代することを可能とするルールの導入が想定されている。ラグビーでは同様のルールが存在している。

 チェフェリン会長によれば、新ルール検討のきっかけとなったのは4月30日に行われたチャンピオンズリーグ準決勝1stレグのトッテナム対アヤックス戦。この試合でトッテナムのベルギー代表DFヤン・フェルトンゲンが頭を打ち、鼻から出血した。同選手は治療を受けたあと一旦はプレーを続行しようとしたが、その後すぐに交代することになった。

 チェフェリン会長はこのアクシデントについて、「何か起こるのではないかと恐怖を覚えた。気分が良くなさそうなのは明らかだった。彼はあそこで死んでしまう可能性もあったかもしれない」と振り返っている。

 フェルトンゲンがプレーを再開して危険な状態に置かれそうになった原因は、ドクターがわずかな時間で判断を下さなければならないことにあるとチェフェリン会長は語る。より確実な診断を可能とするためサッカーのルールを変更し、一時的選手交代を導入することを目指していく考えを示している。

「ルール変更についてFIFAと話し合うつもりだ。(10分あれば)診断はより容易になる。今はクレイジーだ。FIFAもこの問題の解決に関心を抱いている。もし何かが起こってしまえば我々は永遠に後悔することになる」と会長は述べている。

 サッカーのルールを変更するためにはIFABによる承認が必要となる。UEFAは一時的選手交代を来年のIFABの議題とし、2020/21シーズンからの導入を目指して動いていくとのことだ。

【了】

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