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ユベントス、116年前の“恩返し”に応じるも…現代的事情で実現できず

text by 編集部 photo by Getty Images

ノッツ・カウンティ
ノッツ・カウンティの昨季ユニフォーム【写真:Getty Images】

 イタリアのユベントスは、イングランド5部のノッツ・カウンティに対して116年前の“恩返し”をする姿勢をみせたが、事情により実現はしなかったようだ。英紙『ノッティンガム・ポスト』が27日に伝えた。

 ユーベの伝統的チームカラーである白と黒の縦縞のユニフォームデザインは、ノッツ・カウンティに由来するものであることが知られている。1897年に創設されたユーベは、当初ピンクのユニフォームを使用していたが、洗濯により色落ちしやすいという問題に悩んでいたという。

 1903年に、当時所属していた英国人選手から依頼を受けた母国の友人が代替ユニフォームをイタリアへ届けた。それが、友人の応援していたノッツ・カウンティの白と黒の縦縞ユニフォームであったことが、現在まで続くユーベの伝統色の由来になったと伝えられている。

 それから1世紀以上を経て、両クラブの運命は明暗が分かれている。ユーベがイタリアと欧州を代表するビッグクラブとして隆盛する一方で、当時強豪クラブだったノッツ・カウンティは1992年を最後にトップリーグから遠ざかり、昨季はリーグ2(4部)からクラブ初のナショナルリーグ(5部)降格を余儀なくされた。

 成績面での低迷に加えて財政面でも危機的状況に陥っているノッツ・カウンティは、新シーズンのユニフォームを揃える資金にも苦慮。そこで、ユーベに対して116年前とは逆にユニフォームを提供してもらえないかという話を持ちかけた。

 ユーベはこの要請に対し、ユニフォームスポンサーであるアディダス社製の新ユニフォームを快く提供したいという返事を返した。だがノッツ・カウンティにはプーマ社との契約が2年間残されており、他社のユニフォームを着ることは不可能なためその申し出を断らざるを得なかったとのことだ。プーマ社はすでに新シーズンのユニフォームを準備しているが、ノッツ・カウンティはそれを受け取るために同社に費用を支払う必要がある状況だという。

【了】

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