ローマはCL出場権獲得で満点合格。勝負のフォンセカ体制1年目、ポイントとなるのは?【欧州主要クラブ補強診断(9)】

2019/20シーズンは、夏の移籍市場が終了した。この夏も各チームで様々な移籍があったが、それぞれ主要クラブの動きはどうだったのだろうか。今回はローマの補強を読み解く。(文:編集部)

2019年09月24日(Tue)10時10分配信

シリーズ:19/20欧州主要クラブ補強診断
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フォンセカ体制1年目はCL権が目標

ローマ
各ポジションに新戦力を加えたローマ【写真:Getty Images】

 GKアリソン、MFラジャ・ナインゴラン、MFケビン・ストロートマンらを失った昨季のローマは、かなりの苦戦を強いられた。セリエAでは思ったように勝ち点を伸ばすことができず、ヨーロッパリーグ(EL)出場権ギリギリの6位でフィニッシュ。チャンピオンズリーグ(CL)では決勝トーナメント進出こそ果たしたものの、ベスト16でポルトに敗れ大会から姿を消している。昨季途中には闘将エウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督が解任されるなど、クラブは不安定な一年を過ごしたのである。

 そんなローマだが、今季に向けもちろん大きな改革を進めてきた。MFダニエレ・デ・ロッシ、ディレクターを辞任したフランチェスコ・トッティ氏という偉大な二人のバンディエラを失ったのは痛いが、スポーツディレクターに経験豊富なジャンルカ・ペトラーキを招聘。そして新監督にはシャフタール・ドネツクを3年連続で国内二冠に導いたポルトガル人のパウロ・フォンセカを招き入れたのである。

 そして補強に関しては、各ポジションに指揮官好みの選手を揃えたと言える。GKはスウェーデン代表として出場したロシアワールドカップで活躍しながらも、ローマでは批判の的となっていたGKロビン・オルセンをカリアリへ放出し、代わりにべティスからGKパウ・ロペスを獲得。後者はスペイン代表にも定着しつつあるなど確かな力を持っており、リーチを利したセーブが持ち味の選手だ。ローマにとっては大きな補強だ。

 ディフェンスラインにはDFクリス・スモーリング、DFダビデ・ザッパコスタ、DFレオナルド・スピナッツォーラ、DFユルドゥルム・メルト・チェティン、DFジャンルカ・マンチーニが加入。チェティンとマンチーニは若いが、スモーリングやザッパコスタらは経験が豊富だ。ただ、選手層に厚みを増す意味では評価できるが、スタメンで起用されるかどうかは微妙なところである。

 中盤にはMFジョルダン・ヴェレトゥ、MFアマドゥ・ディアワラ、MFヘンリク・ムヒタリアンが新加入。ヴェレトゥとディアワラはセリエAでのプレー経験が十分であり、リーグに馴染むといった意味では問題ないはず。ムヒタリアンは2列目ならどこでも起用可能という柔軟性を兼ね備えており、ローマにとってはこちらも大きな戦力補充になった。また、同選手は語学も堪能で、イタリア語でのコミュニケーションも問題ないという。その点もポジティブな要素だ。

 最前線では移籍が噂されていたFWエディン・ジェコが残留。アトレティコ・マドリーからはFW二コラ・カリニッチも加わっており、フィオレンティーナ在籍時代のような活躍を再びセリエAで発揮することが求められている。

 このように、各ポジションに選手を補強したローマ。セリエAでは開幕から4試合で無敗を維持しているなど、出だしはそれほど悪くはない。ただ、戦術の浸透度はあまり高いとは言えず、ここまですべての試合で失点を喫しているのが気がかりなところ。この辺りは改善したい。

 また、前線にはMFニコロ・ザニオーロやFWジェンギス・ウンデルなど若い選手が揃っているが、反対にDFラインは高齢化が進んでいる。ここまでの基本スタメンでいうとDFアレッサンドロ・フロレンツィ(28歳)、DFフェデリコ・ファシオ(32歳)、マンチーニ(23歳)、DFアレクサンドル・コラロフ(33歳)となっており、彼らがELなども戦う上でどこまで継続して力を示せるかはポイントになる。控えにはスピナッツォーラらがいるものの、彼らはまずチームに適応することが求められるだろう。

 そんなローマの今季の目標はCL出場権獲得ということになるだろう。フォンセカ監督はセリエA初挑戦となるが、どこまで結果を残せるか。

補強・総合力診断

ローマ
ローマの2019/20シーズン予想布陣(黄色は新加入選手)

IN
GK パウ・ロペス(べティス)
DF レオナルド・スピナッツォーラ(ユベントス)
DF クリス・スモーリング(マンチェスター・ユナイテッド/期限付き移籍)
DF ジャンルカ・マンチーニ(アタランタ/期限付き移籍)
DF ユルドゥルム・メルト・チェティン(ゲンチレルビルリイ/期限付き移籍)
DF ダビデ・ザッパコスタ(チェルシー/期限付き移籍)
DF ルカ・ペッレグリーニ(カリアリ/期限付き移籍期間満了)
MF アマドゥ・ディアワラ(ナポリ)
MF ジョルダン・ヴェレトゥ(フィオレンティーナ/期限付き移籍)
MF ヘンリク・ムヒタリアン(アーセナル/期限付き移籍)
MF ブライアン・クリスタンテ(アタランタ/期限付き移籍期間満了→完全移籍)
MF マキシム・ゴナロン(セビージャ/期限付き移籍期間満了)
MF ジェルソン(フィオレンティーナ/期限付き移籍期間満了)
FW グレゴワール・デフレル(サンプドリア/期限付き移籍期間満了)
FW 二コラ・カリニッチ(アトレティコ・マドリー/期限付き移籍)
FW ダニエレ・ヴェルデ(バジャドリー/期限付き移籍期間満了)

OUT
GK ロビン・オルセン(カリアリ/期限付き移籍)
DF コスタス・マノラス(ナポリ)
DF リック・カルスドルプ(フェイエノールト/期限付き移籍)
DF イバン・マルカノ(ポルト)
DF ルカ・ペッレグリーニ(ユベントス→カリアリ/期限付き移籍)
MF ダニエレ・デ・ロッシ(ボカ・ジュニアーズ)
MF ジェルソン(フラメンゴ)
MF スティーブ・エンゾンジ(ガラタサライ/期限付き移籍)
MF マキシム・ゴナロン(グラナダ/期限付き移籍)
FW ステファン・エル・シャーラウィ(上海申花)
FW パトリック・シック(RBライプツィヒ/期限付き移籍)
FW グレゴワール・デフレル(サッスオーロ/期限付き移籍)
FW ダニエレ・ヴェルデ(AEKアテネ)

補強評価:D

 各ポジションに選手を補強したものの、決定的な違いを生みだしそうなプレイヤーがあまりいないというのが事実。選手層は厚くなったはずだが、あまり評価は上がらない。前線には若いタレントが揃うが、DFラインの高齢化が進んでおりこの辺りはやや不安である。

総合評価:D

 戦力的にはユベントスはもちろん、ナポリやインテルといったクラブに比べても落ちる。何よりフォンセカ体制1年目ということもあり、戦術の浸透などに時間がかかる可能性も高い。CL出場権獲得を果たせれば大満足と見ていいだろう。

【了】

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