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中島翔哉はレギュラー争いから一歩後退? ポルト監督の「賭け」で10番は「犠牲」に

text by 編集部 photo by Getty Images

中島翔哉
ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】

 ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉のチーム内での立場は、再び厳しいものになるか。ライバルの活躍に押されているのは間違いなさそうだ。

 代表ウィークによる中断前は公式戦3試合連続で先発出場の機会をもらい、国内カップ戦で1アシストを記録。攻守にわたる献身性などで一定の評価を獲得していた。しかし、タジキスタンでの日本代表戦を終えてポルトに戻ると、少しずつ状況が変わり始める。

 今月19日に行われたポルトガルカップ3回戦のコインブロエス戦では、中島ではなくコロンビア代表FWルイス・ディアスが先発起用された。代表ウィーク中の出場時間や長距離移動の負担も考慮されての起用ではあったが、3部リーグ所属の格下相手の一戦で先発出場したライバルが2ゴールで猛アピール。チャンスを生かして5-0の勝利に大きく貢献して見せた。

 ポルトを率いるセルジオ・コンセイソン監督は、「常にその時のベストの11人で戦う」という考えの持ち主で「ターンオーバー」という表現を嫌う。その指揮官は中4日で迎えた24日のヨーロッパリーグ(EL)レンジャーズ戦で、ルイス・ディアスに継続してチャンスを与えた。

 すると22歳のコロンビア代表ウィンガーは36分に自らのパスカットから仕掛け、ペナルティエリア左角から、ゴールネットの右上隅を撃ち抜く強烈なミドルシュートを決めて見せた。一方の中島は63分からの途中出場で、86分にクロスで決定機を演出したものの、チームを勝利に導くような「数字」を残すことはできなかった。試合はホームのポルトにとって痛恨の1-1ドローで終わった。

 この結果を受け、ポルトガル紙『ア・ボラ』は「中島に先んじるルイス・ディアス」と題した記事を掲載し、2人の序列が再び入れ替わったことを指摘した。

「セルジオ・コンセイソンはレンジャーズに対するポルトの左サイド攻撃でルイス・ディアスに賭け、日本の中島を犠牲にすることにした」

 チーム内で最も激しい競争が繰り広げられているポジションで、先発起用される選手が最も読みにくいポジションでもある。その中で『ア・ボラ』紙は「ポルトガルカップのコインブロエス戦でのパフォーマンスがルイス・ディアスの先発イレブン確保を後押しした」と分析している。

「中島は数試合プレーした後、チームメイトのために再び彼の場所を失った」

 果たしてこの状況は今後も続くのか。あるいは中島にも再びチャンスが与えられ、競争が続いていくのか。約1ヶ月ぶりに再開するリーグ戦では、27日にファマリカンとの首位攻防戦が組まれている。まずはこの重要な試合でコンセイソン監督が先発メンバーに中島とルイス・ディアスのどちらを選ぶかに注目だ。

【了】

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