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中島翔哉は3番手以下? 7試合連続ベンチ、ポルト監督「日々示す能力とプロ意識が重要」

text by 編集部 photo by Getty Images

中島翔哉
ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】

 現地10日にポルトガル1部リーグ第11節が行われ、ポルトはボアヴィスタに1-0で勝利した。

 同じ街を本拠地とするクラブ同士によるダービーマッチではあるものの、実力差は明らか。ポルトにとっては勝って当然の試合だった。ところが直前に複数の主力選手による規律違反が発覚し、彼らの欠場が濃厚になるトラブルもあった。

 結果的には主導権こそ握ったものの、9分にDFアレックス・テレスが先制点を決めて以降は追加点を奪えず1-0での勝利となった。

 先週7日のヨーロッパリーグ(EL)レンジャーズ戦に向けたスコットランド遠征から帰ってすぐ、MFマテウス・ウリベの妻の誕生日パーティーに参加して「門限破り」を犯したMFルイス・ディアス、GKアグスティン・マルチェシン、DFレンゾ・サラビアはベンチ外となっていた。

 試合後、ポルトを率いるセルジオ・コンセイソン監督は「私はここにいる選手たちについて話す。それが最も重要なことだ。この件について話すのに理想的な時期ではない」と4選手の規律違反について深く言及することは避けた。

 しかし「私は大きな歴史を持つ巨大なクラブを代表している。クラブは誰よりも優位にあるもの。本当に重要なのは会長だけだ。選手のサイクルには終わりがくるが、クラブはそれでも生き続ける」と、あくまでクラブの利益を最優先する行動の重要性を説いた。

 ルイス・ディアスの欠場で先発のチャンスが来るかと思われた日本代表MF中島翔哉は、公式戦7試合連続となるベンチスタート。左サイドには、これまで右サイドバックや右サイドMFとしての起用がメインだったメキシコ代表のヘスス・コロナが先発起用された。

 他にもウリベやマルチェシンの欠場で普段出場機会の少ない選手にチャンスが回ってきた。ある意味で“緊急事態”の中でポルトを勝利に導いたコンセイソン監督は「35歳だろうが17歳だろうが関係ない。重要なのは日々示す能力とプロ意識だ。私は最高の11人を選び、それが勝利のために最も確実な11人だった」と述べた上で、「17歳のファビオ・シルバや、(リーグ戦デビューのGK)ジオゴ・コスタ、(リーグ戦初出場の)ママドゥ・ルームのパフォーマンスには驚いていない」と自身が起用した選手たちに賛辞を送った。

 問題は中島のチーム内での立ち位置だ。ルイス・ディアス欠場により左サイドはヘスス・コロナが務め、背番号10の出番はラスト15分ほど。「日々示す能力とプロ意識」が重要だとすれば、公式戦3試合ぶりの出場だった中島はアピールが足りず左サイドの3番手以下と位置づけられていると考えても不自然ではない。

 ボアヴィスタ戦を終えて日本代表に合流する中島に「気をつけて行ってきてください」と声をかけると、「ありがとうございます」と返ってきた。サムライブルーの新ユニフォームをまとって戦う2試合を終えてポルトに戻った彼が、代表ウィークによる中断明けの国内カップ戦やELでどのような立ち位置になっているか注目したいところだ。

(取材・文:舩木渉【ポルトガル】)

【了】

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