マンUはまさに100点満点の出来。2ndレグで見せた別の顔、ブルーノ・フェルナンデスは“止められない”【EL】

UEFAヨーロッパリーグ(EL)・ラウンド32の2ndレグ、マンチェスター・ユナイテッド対クラブ・ブルージュが現地時間27日に行われ、5-0でホームチームが圧勝している。2戦合計スコア6-1でベスト16入りを決めたユナイテッドは、1-1ドローに終わった1stレグからまったく別の姿を見せた。100点満点に近い出来と言えるが、その中で躍動したのはまたもあの男であった。(文:小澤祐作)

2020年02月28日(Fri)11時28分配信

text by 小澤祐作 photo Getty Images
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数的優位な状況を見事モノに

マンチェスター・ユナイテッド
【写真:Getty Images】

 クラブ・ブルージュとのヨーロッパリーグ(EL)・ラウンド32の1stレグではスピード感の上がらないゲームを展開し、敵地で1-1という結果に終わったマンチェスター・ユナイテッド。しかし、ベルギーの強豪をホームに迎えた同2ndレグではまったく違った姿を見せ、サポーターを歓喜の渦へと包み込んだ。

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 オーレ・グンナー・スールシャール監督は、この試合で4-5-1システムを採用。守備の要であるDFハリー・マグワイアやMFファン・マタといった選手がスタメンに名を連ねる中、MFスコット・マクトミネイが怪我から復帰後初先発、今冬に加入したFWオディオン・イガロも新天地で初のスターティングメンバーに選ばれた。

 試合は戦前の予想通りホームのユナイテッドがボールを保持する展開に。ただ、アウェイのクラブ・ブルージュもベスト16入りを決めるためには最低でも1点が必要という状況だったので、引いてブロックを固める、といった戦略は取らず、ボールホルダーに対して前からアプローチをかけていた。

 それでも、ユナイテッドのテンポの良いパス回しに苦労したクラブ・ブルージュは、立ち上がりから際どいシュートを何本か許した。全体のラインもかなり深い位置に固定され、カウンターの開始位置も必然的に深くなる。GKシモン・ミニョレのファインセーブで何とか20分まで無失点に抑えていたが、先制ゴールを与えるのも時間の問題だったと言えただろう。

 そして21分、MFダニエル・ジェームズのシュートをDFシモン・デリが意図的に手を使ってブロックし、ユナイテッドにPKを献上。決定機阻止でデリは一発退場となった。そして、このPKをMFブルーノ・フェルナンデスが冷静に沈め、ユナイテッドがリードを奪った。

 先制ゴールを許した上に退場者を出し数的不利に…。クラブ・ブルージュにとってはこれ以上ないほど大きなダメージとなった。そして、そこからのユナイテッドも容赦なかった。ベルギーの強豪が受けた傷口をさらに広げるかのように、次々とゴールを挙げるのである。

 34分にはイガロが移籍後初ゴールをマーク。その7分後にはマクトミネイがゴールネットを揺らし、前半で3-0と大量リードを奪った。後半に入っても主導権を渡さなかったユナイテッドは、82分、93分とMFフレッジが得点を挙げ5-0と圧勝。数的優位な状況をしっかりと生かし、2戦合計スコア6-1でベスト16入りを決めている。

またも躍動するブルーノ・フェルナンデス

ブルーノ・フェルナンデス
【写真:Getty Images】

 データサイト『Who Scored』によると、この日のユナイテッドはシュート数28本、被シュート数7本、支配率67%、パス672本、パス成功率89%を記録。文字通りクラブ・ブルージュを「圧倒」する結果となった。

 イギリス『BBC』によると、試合後スールシャール監督は「とても嬉しい。複数のゴールを決めて勝てると自信が持てる。試合のスタートから素晴らしかったね。彼らは正しい意図を持って多くのチャンスを作り、相手にレッドカードが出て試合の行方が決した」と話していたという。「試合開始から多くのチャンスを作り、退場者が出て勝敗が決した」。この試合を総括するには、この言葉で十分と言えるだろう。

 そしてスールシャール監督は、23日に行われたプレミアリーグ第27節のワトフォード戦に引き続き、「大きな違いになっている。彼の貢献度に関しては非常に満足している」と“あの選手”に向けて称賛の言葉を送った。その選手こそ、MFブルーノ・フェルナンデスである。

 今冬にスポルティングCPからやって来たポルトガル代表MFは、ワトフォード戦で全3得点に絡むなど殊勲の輝きを放ったが、それはこのクラブ・ブルージュ戦でも同じだった。先制ゴールの場面ではPKを冷静に沈め、2点目の場面ではマタに絶妙なスルーパスを通して得点の起点となり、3点目のシーンは彼のボール奪取がキッカケとなり生まれたものだった。65分にMFジェシー・リンガードとの交代でベンチに下がるまで、チャンスシーンにことごとく絡んでいたと言えるだろう。シュート数4本、決定的なパス3本を記録するなど、数字も申し分ない。

 相手に退場者が出た影響も少なからずあるだろうが、この日のユナイテッドの攻撃陣は動きが非常にスムーズであった。パスのテンポも良く、クラブ・ブルージュのディフェンス陣が陣形を整える前に崩し切ることができていた。これまではただ前に人数をかけるだけで崩し切るオプションがなく、停滞に陥って無得点、といったこともあったが、チャンスをいくつか作り出し大量得点を奪えたのは大きな自信へと繋がるはずだ。

 ただそれも、B・フェルナンデス加入による影響が大きいだろう。彼の出すパスはゴールに直接結びつくようなものが多いため、必然的にチャンスは増える。これまではパスの出し手がMFポール・ポグバしかおらず、彼が離脱している際にはなかなか攻撃のエンジンをかける選手がいなかったのだが、その仕事をB・フェルナンデスがしっかりと果たせていると言える。

 そして、2点目のシーンが良い例だが、B・フェルナンデスはとにかく視野が広い。味方の細かな動き、わずかなスペースを見つける能力の高さは、そのプレーぶりを見ても一目瞭然である。その効果からなのか、自然と味方のオフ・ザ・ボールの動きも活発化しているようにも感じる。マタ、イガロらの攻撃陣もこの日は非常にイキイキとしており、ユナイテッドに新たな “可能性”を見ることができた。

 何度も言うがB・フェルナンデスの加入はスールシャール監督も語る通り「大きな違いに」なっている。この日のユナイテッドはまさに100点満点の出来と言っても過言ではないが、ここまでのポルトガル代表MFの活躍ぶりも満点評価と言えるのではないか。

(文:小澤祐作)

【了】

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