久保建英を手放しで称賛はできない。バルセロナ戦でチャンスを生み出し、指揮官も評価したが…

ラ・リーガ第3節、バルセロナ対ビジャレアルが現地時間27日に行われ、4-0でバルセロナが快勝した。この試合が初戦となったバルセロナは前半だけで4点を奪い、ビジャレアルを圧倒。3試合連続で途中出場となった久保建英はチャンスを演出したものの、ゴールを奪うことはできなかった。(文:加藤健一)

2020年09月28日(Mon)10時50分配信

text by 加藤健一 photo Getty Images
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新生バルセロナ、最高の船出

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【写真:Getty Images】

 ロナルド・クーマン監督が就任したバルセロナは、8月にUEFAチャンピオンズリーグを戦った影響で、この試合が初陣となった。

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 お馴染みの4-3-3から4-2-3-1へ布陣を変えたバルセロナは、立ち上がりから試合の主導権を握った。少ないタッチ数でボールを動かし、中央へ縦パスを入れる。ここでボールを失えば即座にプレッシングを開始してボールを回収。空いたサイドへボールを展開してアタッキングサードへ侵入した。

 先制点は一瞬だった。クレマン・ラングレはDFラインの裏を取るジョルディ・アルバにパスを通す。ジョルディ・アルバがタッチライン際に侵入して折り返すと、アンス・ファティがゴールネットを揺らした。

 先制点から約4分。またしてもラングレのパスが起点となる。自陣の深い位置でボールを受けたラングレはフィリッペ・コウチーニョに素早く縦パスをつける。コウチーニョは自陣からアタッキングサードまでドリブルで運び、ラストパスを受けたファティがゴールを決めた。

 34分には中央でのパス交換から突破したファティが倒されてPKを獲得。これをリオネル・メッシが決めて点差を3点に広げると、前半終了間際にメッシのクロスをパウ・トーレスが痛恨のオウンゴール。前半で4-0となり、勝負の決着はついた。

「今日の前半は僕らが進むべき道だ」とファティが言った通り、新生バルセロナの指針となるような前半だった。

チャンスを生み出した久保建英

 試合前、ビジャレアルを率いるウナイ・エメリ監督は自信を覗かせていた。どこまでが本心か分からないが、自分たちのクオリティを信頼して正攻法でバルセロナと対峙した。

 しかし、その見立ては脆くも崩れ去った。バルセロナと同様に縦への指向が強い攻撃を展開したが、コンパクトな陣形を保てずに相手のカウンターを許した。2点目や4点目は守備への切り替えの遅く、スペースを突かれたことが原因だった。

 ビジャレアルは負傷しているアルフォンソ・ペドラサ以外、エイバル戦と同じメンバーを起用。右サイドはサムエル・チュクウェゼで、久保はベンチスタートとなった。

 久保がピッチに立ったのは74分。80分にはハーフスペースの深い位置に切り込んでチャンスを作る。その1分後には中央で運んで左サイドに展開し、グラウンダーのクロスをスルーして味方のフィニッシュにつないだ。試合終了間際には右サイドからカットインしてシュートを放ち、相手GKを襲っている。

「すべての試合で貢献してくれている」と指揮官もそのパフォーマンスに満足している。久保は攻撃を活性化し、大敗したチームの数少ないポジティブな要素となった。

久保建英の活躍、考慮すべきは…

 右サイドで先発したチュクウェゼは、ディフェンス面で苦労する場面が目立った。相手の攻撃は左サイドを中心に展開されるため、低い位置でのプレーを強いられる時間が長かった。カウンターではスピードを活かしていたが、攻守が切り替わればスペースを空けることになってしまった。バルセロナの4得点はすべて左サイドを使って奪っている。

 その点で見れば、久保はポジショニングに秀でている分、守備面での貢献度も高い。守勢に回る時間が長くなるバルセロナのような相手に対しては、チュクウェゼより久保の方が一日の長があるかもしれない。

 しかし、手放しで称賛するのは果たしてどうだろうか。この試合で久保が投入されたとき、スコアは4-0で残り時間は20分を切っていた。バルセロナは無理に攻め急がず、ボールをビジャレアルに持たせる時間も長かった。自陣に引いて守るのは得意ではないが、点差を考えれば無理に奪い返す必要もなかったのだろう。ピンチは作られたが、大崩れしない戦いを選んでいた。

 前半は40%だったビジャレアルのボール保持率は、後半だけ見ると40%台後半まで上昇した。敵陣でボールを持たせてもらえる環境があったからこそ、久保は自身の特徴を活かすことができた。久保のパフォーマンスは良かったが、試合状況を差し引きする必要はある。

 チームはこの試合を含めた3連戦を戦い、インターナショナルマッチウィークを終えるとUEFAヨーロッパリーグのグループステージが開幕する。過密日程が始まれば、勝負の責任を負う場面で久保がプレーする機会も増えていくだろう。真価が求められるのはこれからだ。

(文:加藤健一)

【了】

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