チェルシーが手にした希望とは? 10人相手に苦戦も…4戦ぶり勝利で「前進している」【分析コラム】

プレミアリーグ第19節、フラム対チェルシーが行われ、0-1でチェルシーが勝利を収めた。前半に退場者が出たフラムを相手に終盤までゴールが奪えなかったが、4試合ぶりに勝ち点3を掴んだチェルシー。現役時代にチェルシーで酸いも甘いも噛み分けたフランク・ランパードは「前進した」と小さな手ごたえを感じている。(文:加藤健一)

2021年01月17日(Sun)12時02分配信

text by 加藤健一 photo Getty Images
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ゴールが遠かったチェルシー

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【写真:Getty Images】

 4試合ぶりの勝利を目指して、チェルシーは立ち上がりからフラムを攻め立てた。しかし、5戦連続ドローとしぶとい戦いを見せているフラムが築いた牙城は堅かった。

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 チェルシーは前半からチャンスを作った。25分にはメイソン・マウントのシュートがクロスバーに弾かれる。その直後にはCKからアントニオ・リュディガーが頭でゴールを狙ったが、アルフォンス・アレオラのファインセーブに阻まれた。

 対するフラムはハイプレスと帰陣からのブロック形成の使い分けとスピードが良かった。カウンターからチャンスを作る機会も徐々に増えていったが、1つのプレーが試合を大きく変えてしまう。

 アントニー・ロビンソンは前半終了間際、セサル・アスピリクエタへの危険なタックルでレッドカードをもらってしまう。何度かチャンスにも絡み、マッチアップするアスピリクエタを苦しめていたが、自らの手で可能性を潰してしまった。

 10人になったフラムは自陣に低いブロックを築き、勝ち点1の可能性を模索した。ハーフコートゲームとなったチェルシーは布陣を4-4-2に変更。オリビエ・ジルーとタミー・アブラハムにクロスを集めるが、ゴールは遠かった。

苦戦する移籍組と成長する生え抜き

 先制点の場面は78分に訪れる。途中出場のカラム・ハドソン=オドイが右サイドでタメを作り、逆サイドに展開。縦に切り込んで上げたベン・チルウェルのクロスはアレオラに弾かれたが、そのこぼれ球をマウントがボレーでゴールに叩き込んだ。

 マウントは10日のFAカップのバースデーゴールに続き、公式戦2試合連続でゴールを決めた。指揮官は「22歳になったばかりだが、若手の一番の成功例だ」とマウントの活躍を称賛している。

 マウントの活躍は間違いなくチェルシーの希望になっている。22歳でチェルシーに移籍したランパードは「自分の足元を見るのが精一杯だった」と当時を回想する。リース・ジェームスやアブラハム、ハドソン=オドイもまだ発展途上の選手であり、主力への階段を上っている。

 成長の跡を見せる生え抜きとは対照的に、ティモ・ヴェルナーとカイ・ハフェルツは批判にさらされる機会が増えてきた。しかし、リバプールでファビーニョやアンドリュー・ロバートソンがそうだったように、適応に時間がかかる場合もある。例年以上に休みなく試合が組まれる今季であればなおさらだ。

 大型補強は時として歪みを生む。さらに今のチェルシーは期待の若手が主力へと脱皮しようとしているタイミングでもある。青年監督は難しいかじ取りを強いられているが、それもビッグクラブを背負う宿命ともいえる。

ランパードが感じる手応え

 チェルシーとフラムによるウェストロンドンダービーは、SW6ダービーと呼ばれる。チェルシーのランパードは、チェルシー時代のチームメイトでもあるスコット・パーカーが率いるフラムに苦しんだ。ランパードは試合後に「彼らは引いていて、自分たちが何をすべきかを知っていたので、簡単ではなかった」と振り返っている。

 ランパードは13年プレーしたチェルシーで、酸いも甘いも噛み分けている。プレミアリーグで3度優勝したが、11/12シーズンには6位に沈んだ。UEFAチャンピオンズリーグでもトロフィーを掲げたが、その翌シーズンはグループステージ敗退の憂き目に遭っている。

 自身が置かれている状況は、ランパードが誰よりも分かっている。

「リーグ戦での調子を少し戻すという意味では、今日は小さな一歩とともに前進した」。ランパードができるのは勝ち点3を積み上げることだけ。フラム戦がそうだったように、今のチェルシーには内容より結果が求められている。

(文:加藤健一)

【了】

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