アーセナル対マンUで何があったのか? ブルーノ・フェルナンデスが不調、マンUが陥る悪循環【分析コラム】

プレミアリーグ第21節、アーセナル対マンチェスター・ユナイテッドが現地時間30日に行われ、0-0の引き分けに終わった。アーセナルはホームでリーグ戦の無敗を7試合に延ばしたが、ユナイテッドは5試合で4得点と得点力不足に悩まされている。加入以来チームを支え続けてきたブルーノ・フェルナンデスは不調に陥っている。(文:加藤健一)

2021年01月31日(Sun)11時46分配信

text by 加藤健一 photo Getty Images
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決め手を欠いた両軍

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【写真:Getty Images】

 アーセナルは17本、マンチェスター・ユナイテッドは14本のシュートを放ったが、両軍ともに無得点。31本のシュートが飛び交ったビッグマッチは、スコアレスドローに終わっている。

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 まずチャンスを作ったのはホームのアーセナル。トーマス・パルティやガブリエウ・マルティネッリの推進力のあるドリブルでカウンターを仕掛けた。30分までに7本のシュートを記録している。

 苦しい立ち上がりとなったユナイテッドに、追い打ちをかけるようにアクシデントが起きる。スコット・マクトミネイが腹痛を訴えて交代。しかし、結果的にこれがユナイテッドに流れを引き寄せた。

 マクトミネイに代わってアントニー・マルシャルがピッチに入り、左サイドで起用されていたポール・ポグバが中盤の底にスライド。ポグバが中央でボールを捌くことにより、ユナイテッドは敵陣に押し込んでプレーすることが可能となった。

 劣勢となったアーセナルはハーフタイムに動く。マルティネッリに替えてウィリアンを投入。ウィリアンは左サイドで起点となり、攻撃を活性化。「後半に戦術を変更して試合の大部分をコントロールできるようになり、我々らしく戦えるようになった」とミケル・アルテタ監督は振り返っている。

 ユナイテッドは前半にフレッジのコントロールショットがGKベルント・レノに弾かれ、エディンソン・カバーニは2つの決定機を逸した。オーレ・グンナー・スールシャール監督は「点を決めるのに十分なチャンスは作れた」と振り返りつつも、「決定機を生かせなければどうにもならない」と嘆いた。

ブルーノ・フェルナンデスは不調?

 2020年は間違いなくブルーノ・フェルナンデスの年だった。ユナイテッドに加入して以来、毎試合のように得点に絡む活躍を見せ、ユナイテッドを暗いトンネルから光の指す方へと導いた。しかし、直近のリーグ戦では5試合連続で得点もアシストもなし。その間4得点しか挙げられていないチームは、2勝2分1敗とそれまでの好調を維持できなくなっている。

 指摘されるパフォーマンスの低下は、実際にスタッツにも表れている。データサイト『WhoScored.com』によれば、今季のプレミアリーグでブルーノ・フェルナンデスは1試合平均2.9本のキーパスを記録。しかし、この5試合の平均はわずか1.6本に留まっている。

 ブルーノ・フェルナンデス自身は「26歳だから疲れないよ」と疲労の影響を否定するが、そんなはずはない。さらに練習熱心なブルーノ・フェルナンデスは過密日程にも関わらず居残り練習を行う。指揮官はそれを止めなければならないという。

 思うようなプレーができなかったブルーノ・フェルナンデスはフラストレーションを溜めていく。グラニト・ジャカの足を踏んだシーンはカードが出されてもおかしくなかった。

 明らかに本来の調子ではなかったが、ブルーノ・フェルナンデスを下げることもできないのが今のユナイテッドのチーム事情。今季、ブルーノ・フェルナンデスが途中交代したのは、試合の大勢が決まっている状況がほとんど。下がるとしても試合終了間際ということが多かった。

 指揮官はブルーノ・フェルナンデスに全幅の信頼を寄せている。しかし、過度な信頼は依存につながる。疲労が溜まりパフォーマンスが低下する。攻撃陣が停滞し、さらに休ませられなくなる。ユナイテッドは悪循環に陥りかけている。

ウーデゴーがデビュー

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【写真:Getty Images】

 疲労があるのは両チームの選手にいえる。エミール・スミス=ロウはらしさを随所に見せていたが、阿吽の呼吸を見せるブカヨ・サカがいない影響もあってか、決定的な仕事をするには至らなかった。年末のレギュラー抜擢以来、リーグ戦は7試合連続で先発。スミス=ロウにとってこのような過密日程はおそらく初めての経験で、20歳と言えど肉体的にも精神的にも疲労はあるだろう。

 その中で、期待を寄せる新戦力をアルテタ監督はデビューさせた。マルティン・ウーデゴールはスミス=ロウに代わって83分にピッチに立っている。

 チームに合流してから、ウーデゴールはまだ1度しかトップチームの練習に参加していない。ユナイテッドが攻め込む時間が長かったこともあり、ボールタッチはわずか3回。「今は彼に少し時間を与えなければいけない」とアルテタは試合前日の会見で述べている。

 とはいえ、トップ下にオプションが生まれた。スミス=ロウを休ませる際はウィリアンをトップ下で起用していたが、タイプ的には異なりフィットしているとは言い難い。ジョー・ウィロックも特に攻撃面では期待に添える活躍を見せられていない。

 ウーデゴールはスミス=ロウの役割に当てはまる人材になるだろう。ライン間でボールを受けるのが得意で、「ポケットでプレーするスペシャリスト。我々が必要としていた特別なクオリティを持っていると信じている」とアルテタも大きな期待を寄せている。

 アーセナルにとって勝ち点1は悪くない結果だった。キーラン・ティアニーとピエール=エメリク・オーバメヤンに加え、腰を痛めたサカが欠場。苦しい台所事情の中で最低限の結果を残すとともに、新たな可能性への種を蒔いている。

(文:加藤健一)

【了】

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