スペイン代表がスイス代表に勝利できた“たった一つ”の理由は? 最後まで活躍したのは人ではなく…【ユーロ2020分析コラム】

2021年07月03日(Sat)11時21分配信

シリーズ:分析コラム
text by 小澤祐作 photo Getty Images
Tags: , , , , , , , , , , , , , , , ,

試合が大きく動き出した後半



 その理由はスイス代表の守備変更にあった。前半はジェルダン・シャキリがセルヒオ・ブスケッツに張ることでハリス・セフェロビッチ一人がセンターバック2枚を見るという形だったのだが、後半はシャキリもCBにプレッシャーを与えるように。そして、それに伴いチーム全体のラインも押し上がった。そのため、スペイン代表は前半のようにゆったりとボールを持つことが許されず、ビルドアップ時に簡単なミスも犯すようになった。

 68分には、積極的に前へ出てきたスイス代表を前に自陣でボールを失い、ショートカウンターを許す。そして最後はDF陣の連係ミスが生じ、シャキリに点を奪われている。スイス代表にとってはこれがこの日2本目の枠内シュートだった。

 スペイン代表はその後、攻撃時に左サイドバックのJ・アルバを一つ前に出し、右SBのセサル・アスピリクエタを最終ラインに残した可変式を採用。攻めのバリエーションをより増やし、スイス代表の攻略を試みている。しかし、同点としたラ・ナティの勢いは落ちない。スペイン代表の時間ではなかった。

 しかし77分、またもルイス・エンリケ監督率いるチームに幸運が訪れた。レモ・フロイラーがジェラール・モレノにスライディングタックルを見舞い、一発退場を命じられたのである。少し厳しい判定だったようにも思えるが、いずれにしてもこれでスペイン代表は数的優位を得た。

 もはやこうなると、戦術の駆け引きどうこうの問題ではなくなる。数的優位のスペイン代表がいかに早く崩すのか、そして数的不利のスイス代表がどこまで耐えるのかという、単純なものだった。

1 2 3

新着記事

↑top