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バルセロナはただただ情けない。目を背けたくなるような泥試合、完成度の低い相手に晒した醜態【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

最大の問題だったのは…



 チャンピオンズリーグ(CL)グループリーグ第1節のバイエルン・ミュンヘン戦を0-3で落としたことで、クーマン監督の解任論が噴出。その中で迎えたこの試合は意地を見せてほしいところだったが、オランダ人指揮官はもう限界なのかもしれない。

 ポゼッションで一時代を築いたバルセロナだからパワープレーに転じるなとは言わない。勝ち点を手に入れるためなら、やむを得ないこともある。

 しかし、今回の大きな問題はグラナダが“そこまでだった”にも関わらず、最初から最後まで何も見出せずにパワープレーに移行したことだ。

 先述した通りボールを握られ続けたグラナダはとくに後半、体力を奪われておりボールホルダーへのプレッシャーなどが緩くなっていた。それでもバルセロナは個や縦パスで仕掛けることをせず、前半と変わらずクロス攻撃を展開。そして残り15分のタイミングで、わかりやすくパワープレーに移行。最後に失点こそしたが、グラナダからすれば非常に守りやすかったと言えるはずだ。

 怪我人が多く満足する戦力を揃えられなかった面は多少なりとも考慮する必要があるかもしれないが、開幕からなかなか完成度が上がっていないグラナダ相手にこの結果では先が思いやられる。ホームでの一戦、それもサポーターの前でクラブの哲学を捨ててまで勝ち点を拾いに行かざるを得なかった内容。バルセロナはただただ情けなかった。

(文:小澤祐作)

【了】

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