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三笘薫がベルギーでついに覚醒! 途中出場からの3発で奇跡の大逆転勝利に貢献、11月の日本代表戦でも救世主に?【コラム】

text by 舩木渉 photo by Getty Images

逆境で交代出場。いきなり輝いた

三笘薫
【写真:Getty Images】



 そんな中、既存の競争に割って入るんだとばかりにヨーロッパで強烈なインパクトを残した選手がいた。

 ベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズ(以下、ユニオン)に所属するMF三笘薫だ。

 現地16日にホームで同じく昇格組のRFCセランと対戦したユニオンは、31分にMFアビール・ジャロー、35分にゲオルゲス・ミカウターゼにゴールを破られ2点のビハインドを背負う。さらに45分、すれにイエローカードを1枚もらっていたMFジャン・ティエリー・ラザリ・アマレが、納得のいかない判定に対して主審を侮辱したとみなされ、2枚目のイエローカードを受けて退場に。

 ハーフタイムを前にしてユニオンは数的不利な状態で2点差を追いかけなければならない窮地に陥ってしまった。

 苦境を打破すべく、ユニオンのフェリス・マッズ監督は後半開始からMFバルト・ニューコープに代えて三笘の投入を決断。攻撃的な采配であえてリスクを冒す道を選んだ。

 すると55分、さっそく三笘が期待に応えた。MFテディー・テウマからのパスを受けた背番号18は、ペナルティエリア内でドリブルを仕掛けると見せかけつつ、素早く右足を振り抜いてゴール右隅を射抜く。三笘はベルギー移籍後リーグ戦初ゴールでユニオンを勇気づけた。

 66分には左からのサイドチェンジをFWデニス・ウンダフが折り返し、ゴール前でFWダンテ・ヴァンゼイルが押し込む。これでユニオンは2-2の同点に追いついた。三笘が左サイドでボールを持ち、相手を引きつけたことによってMFカスパー・ニールセンがフリーでサイドチェンジのロングパスを送れたことがゴールの起点になった。

 ただ、やはり普通なら10人で2点差を詰めるだけでも大健闘だろう。しかし、この日のユニオンは止まらなかった。

 後半もボール支配率をほぼ五分五分で維持しつつ、シュート数ではセランの3本に対してユニオンが14本と、より多くのチャンスを作って逆転勝利を成し遂げるのである。立役者は間違いなく後半から投入された三笘だった。

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