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なぜ7-0に? マンチェスター・シティに隙なし。リーズを圧倒した驚愕の精度とは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

リーズの弱点を見抜いたペップ



 鬼才マルセロ・ビエルサ監督率いるリーズの大きな特徴としてあるのが「マンツーマン」の守備だ。ゾーンで守るのではなく、仮に相手ストライカーが中盤まで落ちてもCBがついていくタイトな守備で相手の攻撃を封じる戦術だ。

 この守備戦術を行うためには豊富な運動量と一対一の強さが特に求められる。

 その中で今節は前節チェルシー戦から中2日で行われた。カルヴィン・フィリップスやリアム・クーパー、ロビン・コッホなど守備陣の離脱が多いリーズはターンオーバーができず、守備陣への負担が自然と大きくなり、運動量が落ちていた。

 そのリーズに対してシティのジョゼップ・グアルディオラ監督は前線にフォーデン、グリーリッシュ、デ・ブライネ、リヤド・マフレズ、ベルナルド・シウバらを起用。全員が個の能力で相手ディフェンスを剥がせる力を持っている選手たちだ。

 彼らがボールを持って仕掛けることで、マークに付いていたリーズの選手はドリブルで剥がされてしまい、ドリブル突破をしてきた選手をフリーにさせるわけにもいかず、その他の選手に対するマークにもズレが生じる。

 また、4-2-3-1のシステムを採用しているリーズは、ワントップの選手が1人で相手のCB、2人をチェックすることとなっており、自然と片方のCBがフリーとなる。シティはこれを利用して、CBがいつも以上にドリブルで前線まで持ち運ぶことで、この形でもリーズのマークのズレを作ることに成功していた。

 ペップが考えた様々な策の結果、リーズのディフェンスは後手に回ることとなり、31本ものシュートを浴びて7失点を喫した。

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