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久保建英 2年前

久保建英は誰よりもキレキレだった。“ラストピース”と共に躍動、89分間で残した圧巻スタッツとは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英が残した非凡なスタッツ



 森保ジャパンでの活動を終えスペインに戻ってきた久保は、2日に行われたコパ・デル・レイ準々決勝、ラージョ・バジェカーノ戦で途中出場。そしてこの重要なカディス戦で、右サイドハーフとして先発起用されることになった。

 久保は前半から抜群の存在感を示している。狭いエリアで受けても積極的に前を向き、攻撃の流れを止めることがなかった。

 30分にはダニ・ロドリゲスからのロングフィードをワールドクラスのファーストタッチで収め、鋭いカットインから左足を振り抜く。シュートは惜しくも枠を外れたが、スタジアムから大きな拍手が沸くなど、素晴らしいプレーだった。

 さらに前半終了間際、D・ロドリゲスの落としを受けると、ドリブルでDF二人を剥がしボックス内へ侵入。最後はシュートまで持ち込みGKヘレミアス・レデスマを脅かした。

 後半はシュートこそ放てなかったが、質の良いドリブルで対面した相手を無力化したり、守備意識を強く持って戦うなど高い貢献度を誇った久保。ロドリゴ・バタグリアとの交代で、この日は89分までのプレーとなった。

 データサイト『Sofa Score』による久保のスタッツは、シュート数2本、パス13本で成功率92%、キーパス両者合わせて最多4本、ドリブル成功数両者合わせて最多4回(成功率100%)、地上戦デュエル10回中9回勝利、ボールロスト10回、タックル成功数2回と申し分ないものになっている。シュートやアシストなど目に見える結果がなかったのは残念だが、ドリブル成功率100%が証明する通り、カディス戦の久保はまさに、誰よりもキレキレだったと言えるだろう。

 先述した通り、ムリキ加入の効果もあって今回はマジョルカの攻撃に停滞感を覚えることがなかった。その中で久保が良いリズムのまま持ち味を発揮するシーンはいつにも増して多かったなど、大型FWとの関係性含め今後に向けて良い感覚を掴んだのは間違いないだろう。ここからチームと共に、さらに調子を上げていけるか。

(文:小澤祐作)


【了】

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