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久保建英 2年前

久保建英はレアル・マドリードにアピールできたのか。“鬼門”の左サイドで目立ったプレーとは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英はなぜ左サイド起用に?



 そんなマドリー戦において最も注目を集めていたのが久保建英だ。ご存じの通り同選手はマドリーからマジョルカにレンタルされている身。将来的な復帰、そしてチーム定着に向け、“目の前”でアピールできるかどうかが最大の焦点となっていた。

 その久保は先発入りを果たしたが、ポジションはいつもと異なる左サイドハーフだった。ルイス・ガルシア・プラサ監督がこの一戦でそのような選択をした理由は、主に二つあると考えられる。

 まずは守備面だ。マドリーのストロングポイントはフェルラン・メンディ、そしてヴィニシウスのいる左サイドにある。そのため、マジョルカの右サイドハーフには久保ではなく、同選手よりも守備の貢献に期待できるダニ・ロドリゲスが置かれた。相手の実力を考えれば、妥当な判断と言えるだろう。

 そしてもう一つは攻撃面にある。

 マジョルカは当然ながらマドリーに押し込まれる時間が増える。そうなると攻めのパターンは自然とカウンターになる。この時、右に左利きの久保がいると、外で受けた際に縦よりも持ち替えて中に、という選択肢が多くなるので、カウンターの勢いが一時的に落ちてしまうのだ。

 ルイス・ガルシア監督はそれを避け、マドリーに対してはより手数をかけない攻撃を展開したかったのだと考える。だからこそ、レフティーの久保を左に配置した。この方が、カウンター時のアーリークロスや縦方向へのパスが繰り出しやすくなり、チームの勢いが止まることが少ないからだ。

 では、今季初めて左サイドで先発した久保のパフォーマンスはどうだったのだろうか。

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