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もはや手がつけられない! バルセロナ、ペドリが持つ感覚とは? 「覚えているのはそれだけ」と語ったのは…【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

バルセロナの狙いとガラタサライの狙い



 ガラタサライは1stレグ同様4-2-3-1を採用している。トップ下がアンカーのセルヒオ・ブスケッツに、ダブルボランチがインサイドハーフに、そしてワントップがセンターバック2枚を見るという形も前回から変わりなかった。

 そのガラタサライに対するバルセロナの狙いはこうだ。インサイドハーフ2枚でダブルボランチを広げ、中央にスペースを作る。そこをCFオーバメヤンが利用し、ボールが入ればトップ下シカルダウのマークを外してサポートに回るブスケッツに落とす。そして、動き出す3人目を使うというものだ。

 この形がうまくハマったのが10分のことである。オーバメヤンにパスが入ると、同選手はブスケッツへ落とす。その瞬間にフレンキー・デ・ヨングが斜めへのランニングを見せたことで背番号5からのパスを引き出し、ディフェンスラインを突破。最後はビッグチャンスを迎えることになった。

 しかし、10分のシーンこそうまくいったが、当然ガラタサライもそう何度も同じ形を作らせてはくれない。彼らも守備時に明確な狙いを持っていた。

 CB1枚には自由を与えてOK、さらに下りるオーバメヤンにもそこまで強く当たらず、ある程度フリーにさせることが多かった。つまりガラタサライとして最も気を付けたかったのが背後のスペース、バルセロナの3人目の動きである。ボックス内へ果敢に侵入するデ・ヨングに対し、同胞の左SBパトリック・ファン・アーンホルトが絞って対応していたことからも、それは明らかだった。

 そのためバルセロナはなかなか背後のスペースを付けず、ゴール前でパスを回す時間帯が増えていた。右サイドのアダマ・トラオレは足元で受けても囲まれるなど存在感を消しており、オーバメヤンもゴール前で決定的な働きができない。バルセロナは30分時点で支配率70%近くを記録していたが、シュート数ではガラタサライを下回るなど、どこか停滞感は否めなかった。

 しかし、そんな状況をある男が見事に変えてみせた。

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