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究極の5分間。マンチェスター・シティはなぜ逆転できたのか? 融合した交代選手3人と司令塔【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

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 プレミアリーグ最終節、マンチェスター・シティ対アストン・ヴィラが現地時間22日に行われた。シティは2点を先行される苦しい展開となったが、5分間に3得点を奪って逆転に成功。プレミアリーグ連覇達成はいかにして実現したのか。ペップ・グアルディオラの采配と、交代選手の働きにフォーカスする。(文:加藤健一)


結実しないマンチェスター・シティの狙い

Pep Guardiola
【写真:Getty Images】

 首位マンチェスター・シティは勝ち点90、リバプールは同89で最終節を迎えた。シティは勝てば優勝が決まり、引き分け以下でもリバプールの結果次第で優勝の可能性がある有利な状況だった。

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 同時キックオフとなった最終節、リバプールがウォルバーハンプトンに先制を許したという一報がエティハド・スタジアムにも届いた。一方のシティはアストン・ヴィラのコンパクトな守備ブロックに苦しみ、なかなか攻め手を見出せない。ボールをブロックの外で回すだけで、決定的なシーンを作り出すことに苦労した。

 ただ苦しむ中でも、ヴィラのギャップを見つけていた。代表されるのは20分のシーンだ。

 起点となったのは右センターバックに入ったフェルナンジーニョから大きく開いた左サイドバックのジョアン・カンセロへのロングパスだった。ガブリエウ・ジェズス、ベルナルド・シウバと渡りケビン・デ・ブライネに必殺のスルーパスが生まれた。惜しくもジェズスには通らずタッチを割ってしまったが、狙いが垣間見えたプレーだった。

 ロングパスを受けたカンセロには相手右サイドバックのマティ・キャッシュが対応。空いたハーフスペースはジョン・マッギンが埋めていたが、シティがボールを下げた瞬間にギャップが生まれた。

 こうしたギャップを生む試みは前半を通じて何度か行われた。ヴィラもシティのファーストディフェンスを何度か潜り抜け、オリー・ワトキンスを頂点とする前線へ何度かいいボールが渡っている。そして37分、ついにスコアが動いた。

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