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前田大然、セルティックで加速する進化。横浜F・マリノス時代から徹底してきたプレーの先にあった結果【21/22欧州日本人総括コラム】

シリーズ:21/22欧州日本人総括コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

来季はCL、そしてW杯の舞台へ

前田大然
【写真:Getty Images】



 もともと昨夏のセルティック監督就任と同時に獲得を望んだ愛弟子に対して、“ボス”が全幅の信頼を寄せているのは間違いない。5月23日にはマリノスからセルティックへの完全移籍も決まり、来季も前田とポステコグルー監督の師弟関係は続くことになる。

 シーズンを終えて日本代表に合流した前田は、6月10日のガーナ代表戦でA代表初得点を挙げた。センターサークル付近からの速攻で右サイドに抜け出した伊東純也のラストパスに、DFの背後を取った前田が丁寧に合わせてのゴールだった。

 その場面をスタジアムで見ていて、まさしくマリノスやセルティックでよく見たパターンだと感じたのをよく覚えている。日本代表7試合目の出場で奪った初ゴールについて、前田自身も「クラブでもああいうシーンが本当にたくさんあるので、あそこに入っていくのは自分の中で決めていること。しっかり勢いよく入れた」と、手応えをつかんでいた。

 マリノスやセルティックで結果を出し続けて積み重ねてきた成長が、日本代表の舞台でも成果として実りつつある。「(6月2日の)パラグアイ戦で決定機を外して、次のチャンスがあるかないかというところと戦っていたので、今は本当にほっとしています」と話していた24歳は、「代表初ゴールは遅かったですけど、自分がやってきたことは間違いじゃないと思っている」と安堵とともに自信を深めていた。

 セルティックで2年目となる新シーズンは、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の舞台に立つチャンスもある。11月には日本代表として挑むカタールワールドカップも控えている。ポステコグルー監督のもとで大ブレイクした古橋や旗手らとともに、前田が欧州最高峰の戦いの中でどんなきっかけをつかんで進化を加速させていくだろうか。一瞬でも目を離せば、我々もすぐに置いていかれてしまう。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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