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トッテナム、的確な補強は選手だけにあらず。今季の成績を左右する影のキーマンとは?【22/23補強診断(6)】

シリーズ:22/23補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

補強したのは選手だけじゃない



 選手の補強はもちろん、今夏にコーチングスタッフに加わったある人物がトッテナムの運命を変えるかもしれない。

 その人物とはセットプレーコーチに就任したジョバンニ・ビオ氏である。昨夏に開催されたユーロ2020(欧州選手権)ではイタリア代表のセットプレーコーチを務め、実際に同大会では2ゴールが生まれている。その手腕はおよそ40%のゴールをセットプレーから記録したカターニャ時代から定評があり、4830通りものレパートリーをマスターしているとも言われている。

 『The Athletic』によると、昨季のトッテナムはセットプレーからの得点がリーグで4番目に少ない8ゴールに留まっていたそうだが、彼の起用は既に効果が出始めている。今季は開幕戦から3試合連続でセットプレーからゴールを記録しており、2節チェルシー戦はハリー・ケインの同点ゴール、3節ウォルバーハンプトン戦では同じくケインの決勝ゴールと勝ち点に直結する重要な得点が生まれている。

 彼の存在の大きさは選手たちも試合後のインタビューで語っており、クルゼフスキは「見ての通り違いを生み出している。ビオはとても重要な存在だね」と賛辞を送っている。

 またエースのケインも「僕たちは多くのセットプレーのトレーニングを積んできている。試合を変えるチャンスになるし、特に接戦であればその重要性はさらに増す」とチームがセットプレーに力を入れていることを明かしている。選手だけでなく、コーチングスタッフにも的確な補強を行ったことで、より完成度の高いチームへと仕上がったと言えるだろう。

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