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バルセロナの攻撃は綿密に設計されている。なぜ圧倒できるのか? タクトを振るう2人が黄金期到来のカギに【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 阿部勝教 photo by Getty Images

シャビ・バルサに欠かせない2選手は…


【写真:Getty Images】



 その2選手とは、デ・ヨングとペドリだ。この試合では、ほぼすべての攻撃がこの2人から展開されていた。

 この試合では、アンカーにデ・ヨング、インサイドハーフにペドリが入っていた。自陣からのビルドアップ時はCB間にデ・ヨングが入り、ペドリは高い位置をキープしたが、敵陣では柔軟にポジションチェンジ。デ・ヨングは各所に顔を出してサポートに行きつつ全体のバランスを取り、ペドリはペナルティーアーク付近から逆サイドへの展開やスルーパスの配球など、攻撃のタクトを振るっていた。

 これは数字を見てもわかるだろう。データサイト『SofaScore』によると、デ・ヨングはこの試合で両チーム最多となるタッチ数124回を記録。105本中95本のパスを成功させ、さらに5度のタックルとインターセプトを記録している。

 そして、ペドリは、デ・ヨングに次ぐタッチ数106回を記録。パス成功率は96%で、両チーム最多となる5本ものキーパスでチャンスを演出するなど、攻守においてこの2人の存在は絶大だった。

 バルサは国内ではシーズン開幕から好調を維持している。今夏に多くの選手を獲得しており、レバンドフスキの活躍も大きな要因となっている。しかし、チームの中心となっているのは間違いなくこの2人。デ・ヨングとペドリが最高のパフォーマンスを維持できれば、シャビ・バルサはペップ・バルサのような黄金期を築けるかもしれない。

(文:阿部勝教)

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