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克服したい冨安健洋の弱点とは?アーセナルでレギュラー奪取へ足りないのは…【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

冨安健洋がライバルよりも劣っているポイントとは?


【写真:Getty Images】



 守備が完璧だった一方で、攻撃における貢献度の低さは今節も課題として残った。昨季多くの試合で、右サイドでコンビを組んでいたブカヨ・サカが先発メンバーから外れ、今季加入のマルキーニョスと縦関係の連係を築いたこともあり、意思疎通が合わないことが多かった。

 マルキーニョスは自分に相手選手が食いつき、その大外を冨安がフリーでオーバーラップをしているのにも関わらずドリブルで仕掛けるなど、状況判断の甘さが目についた。

 しかし、冨安も常に効果的なフリーランができていたわけではない。69分には右サイドでボールを受けたエンケティアが大外の冨安にパスを出したかったタイミングで、オーバーラップを仕掛ける判断が遅れるシーンもあった。

 味方との連係不足、個人の状況判断ミスもあって、データサイト『Sofa Score』によると冨安はこの試合で1本もクロスを記録することはなかった。

 それに対し、右SBのレギュラーを務めるホワイトは攻撃参加するタイミングが抜群で、攻撃的なサッカーで常に主導権を握りたい現在のアーセナルの戦術には彼の方がフィットしているというのが現状だ。

 現在チームは絶好調ということもあり、今節のようにターンオーバーをしない限りはホワイト、ウィリアン・サリバ、ガブリエウ・マガリャンイス、オレクサンドル・ジンチェンコ(キーラン・ティアニー)の4バックを変えることはないだろう。ただ、その中で誰かしらが負傷した場合は冨安に出番が与えられる可能性が高く、再びレギュラーに向けてアピールする場が訪れるはずだ。その日に向けて少しでも弱点を克服しておきたい。

(文:安洋一郎)

【了】

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