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アーセナルがトッテナムを上回った2つの要素とは? 数字より顕著だった「差」【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

対照的だった両チームのGKの完成度


 とはいえ、アーセナルも特に後半開始早々は何度も失点をしてもおかしくないピンチを迎えていた。そうした中で失点をゼロに抑え、トッテナムに流れを与えなかったのは守護神アーロン・ラムズデールの活躍があったからだ。

 50分のケインのシュートや52分のライアン・セセニョンのシュートは1点もののビッグチャンスだったが、それを全て止めて見せた。この試合のラムズデールはトッテナムが記録した全7本の枠内シュートをストップ。データサイト『Sofa Score』によると、今節のラムズデールは2.41点分のシュートを防いでいたとのことだ。これは第20節を終えた時点で、プレミアリーグの全GKで今季最高のスタッツである。

 仮にいずれかのピンチで失点をしていた場合、流れは大きくホームのトッテナムに傾いていただろう。それだけゴールというのはチームに勇気を与えるものなのだが、逆にトッテナムの守護神ウーゴ・ロリスはディフレクションがあったとはいえ14分にミス絡みのオウンゴール、36分の場面でも自らのパントキックを相手に回収されて失点と不甲斐ないパフォーマンスが続いた。

 両チームのGKの対照的なパフォーマンスが、この試合の勝敗に直結したと言っても過言ではない。チームとしての一貫性、個人のパフォーマンスの差、これらを踏まえるとアーセナルが勝利するのは必然的だった。

(文:安洋一郎)

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