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アーセナルがマンUよりも優れていたのは? 冨安健洋の最低評価は妥当なのか【分析コラム】

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

冨安健洋の最低評価は妥当なのか?


【写真:Getty Images】



 最後に冨安健洋のプレーにも触れたい。

 この日の冨安はベンチスタートだったが、ベン・ホワイトが不安定かつ早々にイエローカードを貰っていたこともあり、後半頭より右SBとして出場した。

 冨安のゲームへの入りはお世辞にも良いものとは言えなかった。55分にはラッシュフォードに2連続でかわされ、ピンチを招いている。2失点目のシーンでは、責任は大きくないとはいえ、GKアーロン・ラムズデールと重なってしまい、62分には自陣深くでボールを失う危険なプレーも露呈してしまった。

 しかし、それ以降は落ち着きを取り戻し、安定していたと言えるだろう。64分には相手のカウンターからペナルティーエリア内でラッシュフォードとの1対1を迎えたが、最後まで我慢してパーフェクトにボールを奪ってみせた。ユナイテッドはその後も10番頼みの速攻を仕掛けてきたが、冨安は決定的な仕事をさせなかった。

 攻撃面でも62分のシーン以外は目立ったミスもなかった。精度こそ上がらなかったが、味方を追い越してからクロスも何本か放り込んでいる。

 サカのゴラッソのおかげでアシストもついた冨安だが、英『フットボール・ロンドン』の採点記事ではホワイトに並ぶチーム最低評価の「5点」がつけられた。「ラッシュフォードを捕まえるのに苦労した」との寸評だが、今キレキレのラッシュフォードを完璧に封じ込む方が難しいだろう。そういった意味では、よく戦っていたと言っていいはずだ。

 ただ、上記した通り試合への入り方が悪かったのは確か。この日のアーセナルは全体としてネガティブな部分が少なかったので、最低評価になるのも仕方がないといったところか。いずれにしても、そこまで悲観すべきではない。

(文:小澤祐作)

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