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天国から地獄へ…。アフリカの消えた逸材(3)ワールドユースで大活躍だったガーナ人FW

シリーズ:消えた逸材5人 text by 編集部 photo by Getty Images

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若くして才能を披露して高く評価された選手が、そのままスター選手として活躍し続ける保証はない。怪我やプレッシャーに苦しみコンディションを落とす選手がいれば、ピッチ外での問題で活躍の場を失っていく選手も多い。今回は大きな期待を背負いながらも、大舞台から姿を消した5人のアフリカ人選手を紹介する。


FW:クインシー・オウス=アベイエ(ガーナ)

クインシー・オウス=アベイエ
【写真:Getty Images】

FW:クインシー・オウス=アベイエ(ガーナ)
生年月日:1986年4月15日
主な在籍クラブ:アーセナル、スパルタク・モスクワ、マラガ
現所属クラブ:SVロビンフッド(オランダ)


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 クインシー・オウス=アベイエ。今でこそほとんど聞かなくなった名だが、この人物を覚えている日本人は多いのではないだろうか。2005年のワールドユース(現U-20ワールドカップ)開幕戦、本田圭佑ら擁する日本代表の大きな脅威となったのが、まさにこの男だ。オランダ代表として同大会に挑んだオウス=アベイエは、巧みなドリブルと抜群のスピードを武器に日本のDF陣をズタズタに。アシストを記録し、2-1勝利の立役者となっていた。なお、年代別代表はオランダだが、A代表は両親の母国であるガーナを選択している。

 アムステルダムで育ったオウス=アベイエは、7歳の頃にアヤックスの下部組織に加入したが、素行不良を理由にクラブを離れている。16歳の時に才能を評価されアーセナルへ迎え入れられ、2004年にトップチーム昇格を果たしている。ただ、当時のアーセナルはまさに黄金期。当然、若いオウス=アベイエに与えられたチャンスは数えるほどしかなかった。その後も出番は増えず、クラブがエマニュエル・アデバヨールやセオ・ウォルコットを獲得した2006年冬にロシアへ旅立った。

 上記した通りワールドユースで活躍するもアーセナルで不振に終わったオウス=アベイエは、新天地スパルタク・モスクワでも不発に終わってしまう。ここからキャリアの歯車は完全に狂い、移籍を繰り返すことに。セルタ、バーミンガム、カーディフ、ポーツマス、マラガ、パナシナイコス、ボアヴィスタ、最後はNECナイメーヘンでプレーした。そして2017年1月、30歳で現役引退を決断している。

 引退後ラッパーに転向したサッカー選手といえば元オランダ代表DFロイストン・ドレンテが有名だが、オウス=アベイエもその一人。ガーナ系イギリス人のラッパー「Sway」が従兄弟であることも影響してか、「Blow」の名で活動し、ミックステープもリリースしている。しかし、2020年夏にオランダのアマチュアクラブであるSVロビンフッドに登録され、サッカー選手として復帰している。

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【了】

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