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【冨安健洋・分析コラム】だから冨安は重宝される。アーセナルのサッカーを成立させる難易度の高いプレーとは

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

アルテタ監督が語る冨安健洋の伸びしろ


 冨安の守備面での貢献度の高さを絶賛していたアルテタ監督だが、攻撃面に関してはさらなる成長を期待しているようだ。

 スペイン人指揮官は「攻撃面でどんどん貢献していくのを見るのは、とても良いこと」と、賞賛をした上で「攻撃面ではまだ伸ばせる部分がある。特にクロスを上げるタイミングやポジショニング、チームメイトのためにスペースを作る動きだ」とコメントしている。

 冨安は2アシストを記録したUEFAチャンピオンズリーグ(CL)RCランス戦に続き、ウルブス戦でも抜群のポジショニングで右サイドからの攻撃を活性化させていた。

 6分の先制点のシーンでは、サカとマルティン・ウーデゴール、ガブリエウ・ジェズスが右サイドに流れていた中で、彼らが空けた中央のスペースにポジションを移して、絶妙なワンタッチパスでゴールをお膳立て。48分のシーンでは、相手の3バックとWBの間に生まれたスペースでデクラン・ライスからのパスを呼び込み、あわやゴールという絶妙なクロスをボックス内に送った。

 あくまでもアーセナルの最大の強みでもあるサカの突破力を絶大なポジショニングでサポートしつつ、自らにボールが渡ればパスやクロスでチャンスを演出する。「縁の下の力持ち」としてこれ以上ない働きをみせている。

 こうした好プレーがあった中でも「攻撃面ではまだ伸ばせる部分がある」というコメントが出たのは、アルテタ監督が冨安のポテンシャルを買っている証拠でもある。

 それだけに、79分にふくらはぎを痛めて交代となったのは気掛かりだ。12月から年明けまでアーセナルは週2試合のペースの過密日程が組まれており、適度なローテーションを組むには冨安のようなユーティリティプレイヤーが欠かせない。怪我が重くならないことを祈るばかりだ。

【了】

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