FW:ジェイコブ・マーフィー(ニューカッスル/イングランド)

【写真:Getty Images】
生年月日:1995年2月24日
市場価値:1600万ユーロ(約25.6億円)
今季リーグ成績:30試合8得点11アシスト
今年2月に30歳を迎えたニューカッスルのジェイコブ・マーフィーはキャリアハイのシーズンを過ごしている。移籍5年目にしてようやくレギュラーの座を掴んだ今季は、プレミアリーグ第33節終了時点で8得点11アシストを記録中だ。アシストランキングではリーグ2位につけている。
右利きの右WGである彼は、縦突破からのクロスが得意な形。今季のニューカッスルはサンドロ・トナーリの復帰に伴い、ブルーノ・ギマランイスをインサイドハーフで起用している。このブラジル代表MFは狭いエリアにパスを通すことが上手く、2人の連係で相手のハーフスペースを攻略し、マーフィーが右足でクロスを上げる形がお決まりとなっている。
絶対的エースのアレクサンデル・イサクとの相性が良いのもマーフィーの持ち味で、11アシストのうち7アシストがスウェーデン代表FWに対するものだ。カラバオ・カップ決勝でも2人のコンビから決勝点が生まれている。ネームバリューこそイサクやアンソニー・ゴードンには劣るが、マーフィーも今季のニューカッスルの躍進を象徴する選手だ。
決定力にも磨きがかかっており、逆サイドからのクロスに対してゴール前で反応できているのも評価できるポイント。第29節延期分クリスタル・パレス戦では角度のない位置からニア上を打ち抜くゴラッソを叩き込むなど、ド派手なゴールで観客を沸かせている。
なお、双子のジョシュ・マーフィー(ポーツマス)も30歳にしてキャリアハイのシーズンを過ごしており、チャンピオンシップ第43節終了時点でアシストランキング1位に立っている。
FW:ジャン=フィリップ・マテタ(クリスタル・パレス/フランス)

【写真:Getty Images】
生年月日:1997年6月28日
市場価値:3000万ユーロ(約48億円)
今季リーグ成績:32試合13得点2アシスト
プレミアリーグには各クラブに優れたエースストライカーがいる。33歳でキャリアハイの18ゴールを決めているクリス・ウッド(ノッティンガム・フォレスト)やアイヴァン・トニーの穴を埋めたヨアン・ウィサ(ブレントフォード)、移籍1年目で大活躍のヨルゲン・ストランド・ラーセン(ウォルバーハンプトン)、リバプールのフィルジル・ファン・ダイクを苦しめた強豪キラーのロドリゴ・ムニス(フラム)ら、強い個性を持った選手たちが揃っている。
彼らが実力者であることを前提に、今回はクリスタル・パレスのジャン=フィリップ・マテタを過小評価イレブンに選出した。加入した2021年冬から約3年間でプレミアリーグ11ゴールに留まっていたが、オリヴァー・グラスナーが2024年2月に監督に就任すると、突如として覚醒。2023/24シーズンの残り13試合で13得点を決めて一気に絶対的エースへと躍り出た。
今シーズンはパリオリンピック(パリ五輪)出場に伴い調整が遅れた影響もあってリーグ序盤は振るわなかったが、昨季同様に後半戦は大爆発中だ。2025年のリーグ戦だけで9ゴールを決めている。
その最大の魅力は規格外のフィジカルだろう。192cmと上背がありながらスピードがあり、左右両足でパンチの強いシュートを打てる。プレミアリーグの屈強なCB相手にも優位に立てるアスリート能力の高さはまさに“怪物”だ。
この「剛」の部分に加えて、「柔」も兼ね備えているのがマテタの魅力である。相手の矢印の逆を突くドリブルが上手く、スルスルとボールを持ち運ぶテクニックも兼ね備えている。カウンターが武器のクリスタル・パレスには欠かせない選手だ。
FW:ハーヴィー・バーンズ(ニューカッスル/イングランド代表)

【写真:Getty Images】
生年月日:1997年12月9日
市場価値:3000万ユーロ(約48億円)
今季リーグ成績:28試合9得点4アシスト
ニューカッスルはレギュラーとサブに差があるという課題を抱えている。しかし、左WGに関してはプレミアリーグ屈指の熾烈なポジション争いが勃発中だ。
6500万ユーロ(約104億円)の市場価値を誇るアンソニー・ゴードンに注目が集まりがちだが、サブとして控えるハーヴィー・バーンズもスペシャルな選手だ。意外に思われるかもしれないが、856分間も出場時間が短い後者の方がプレミアリーグで多くの得点を決めている。
ニューカッスル移籍1年目の昨季は怪我に悩まされて本領発揮とはならなかった。今季も主にサブとしての起用が多かったが、ピッチに立つと多くのゴールに関与している。
特にプレミアリーグで5連勝を達成した第28節からの5試合の活躍は凄まじく、この期間に4得点2アシストを記録。現在リーグ戦6試合連続で得点関与中と、ゴードンからスタメンの座を奪う勢いだ。
そのパフォーマンスレベルが最高潮に達したのが、4-1で快勝したマンチェスター・ユナイテッド戦だろう。ノゼア・マズラウィからボールを奪ってそのまま中央突破を図り、スピードとテクニックで相手守備陣を1人で攻略。ドリブルでのコース取りが上手く、そのままフィニッシュに持ち込んでゴールを決めきった。
今季のプレミアリーグでは149分に1得点という効率でネットを揺らしており、これは300分以上プレーしているWGの中ではリーグ得点王のモハメド・サラーに次ぐハイペース。守備での強度では驚異的なスプリント力を誇るゴードンには劣るが、フィニッシュのセンスやクロス精度に関しては同等以上のクオリティの持ち主だ。