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2024/25シーズンのプレミアリーグも佳境に入っている。今回フォーカスするのが、シーズン途中における監督人事。今季もいくつか監督交代のケースが生まれたが、3、4シーズン前と比較をすると明らかに減少している。その理由とチーム作りの変化について考察する。(文:安洋一郎)
シーズン途中の監督交代が効果的ではなかった2024/25シーズン

【写真:Getty Images】
シーズン途中の監督交代はリスクこそあるが、プランがハマれば“起爆剤”になり得る。
チェルシーは2020/21シーズン途中にトーマス・トゥヘルを新監督に招聘すると、就任から半年でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)を制覇。2022/23シーズンのアストン・ヴィラも11月にウナイ・エメリを新監督に迎えてから大躍進を遂げた。
今シーズンも、監督交代がキッカケとなって調子を取り戻したクラブがある。16試合を消化した時点で勝ち点9ポイントの19位に留まっていたウルバーハンプトン・ワンダラーズ(ウルブス)だ。
彼らは昨年12月にギャリー・オニールからヴィトール・ペレイラに交代。すると、その後のプレミアリーグ17試合で9勝2分6敗と勝ち越し、直近は5連勝を達成。すでに残留という目標をクリアした。
しかし、冒頭に“リスク”と述べたように、ウルブスのような成功例は珍しい。プレシーズンのように十分なトレーニングの時間を取れないため、戦術を落とし込む時間が限られており、指揮官にとっては難しい実情がある。今季はシーズン途中に監督を交代した6チームのうち、2チームしか成績が上昇しなかった。
その上で、本稿ではシーズン途中の監督交代が減少していることに注目する。2021/22シーズンは9チーム、一昨季は10チームがシーズン途中に監督交代を行ったが、昨季は3チーム、今季は6チームと前例と比較をすると減っている。
なぜ、シーズンの途中に監督を変えるケースが減っているのだろうか。プレミアリーグが抱える問題も踏まえつつ、今後も起こり得る傾向について探っていきたい。