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コラム 8か月前

プレミアリーグでシーズン途中の監督交代が減少? その理由とは。広がる“格差”によって起こるチーム作りの変化【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

残留争いがなくなったプレミアリーグ

 昨シーズンにノッティンガム・フォレストは勝ち点「32」の17位でフィニッシュした。これはプレミアリーグに残留したチームの中では歴代最低の勝ち点である。

 以前のコラムでも問題提起したが、2022/23シーズンの昇格組が全て残留し、2023/24シーズンの昇格組が全て降格したことで、現在のプレミアリーグは2季続けて「残留している17クラブ」+「昇格組」という構図になっている。

 これによって1部と2部の間に明確な戦力差が生まれ、今季も3つの昇格組全ての降格が決定的となっている。複数年にわたりプレミアリーグで戦っているチームは毎年のように戦力強化を図っており、多少の不調では降格の危機とはならない。

 この傾向を受けて、短期的な結果を求める監督人事が減少したと考えられる。英2部相当のチャンピオンシップのような熾烈な昇格争いと残留争いを繰り広げているリーグとは真反対の傾向だ。彼らは今季だけで24チーム中15チームが監督を交代している。

 今シーズンにおける残留を目標とした監督人事は、サウサンプトンの最下位、ウルブスの降格圏、レスターとエバートンが降格圏からわずかに上の4ケース。暫定16位の時点でスティーブ・クーパー監督を解任したレスターは、第33節でリバプールに敗れたあとに降格が決まった。

 18位から7ポイント差があったマンチェスター・ユナイテッドとウェストハムは、どちらかと言えば長期的なプランを掲げての監督交代だろう。

 ウルブスは冒頭に述べたようなカムバックを見せて余裕の残留が確定。エバートンもデビッド・モイーズ新体制で、ショーン・ダイチ前政権から引き継いだ堅守とアップデートされた攻撃面のアプローチで順調に勝ち点を積み上げた。

 一方で苦戦を強いられたのが、ルベン・アモリムを新監督に招聘したマンチェスター・ユナイテッドとグレアム・ポッターを新監督に招聘したウェストハムの両クラブである。

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