フットボールチャンネル

コラム 8か月前

プレミアリーグでシーズン途中の監督交代が減少? その理由とは。広がる“格差”によって起こるチーム作りの変化【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

途中就任から苦戦する傾向にある監督の共通点

 降格の危機には立っていないが、監督交代を経てマンチェスター・ユナイテッドは1試合平均の勝ち点が「1.22」から「1.05」、ウェストハムは「1.15」から「1」に下がった。

 アモリムとポッターの両監督に共通しているのが、自分たちがボールを保持することを前提とした戦術を組んでいること。トレーニングの時間が限られている中で、保持ベースの戦術を浸透させるハードルは高く、後者は2022年9月にチェルシーの監督に就任した際もチーム作りに時間がかかっていた。

 こういった途中就任の難しさを踏まえると、今季のプレミアリーグで18敗を喫しているトッテナム・ホットスパーがアンジェ・ポステコグルー監督を解任しないことは理にかなっていると言えるかもしれない。

 数年前のプレミアリーグのように、最終節までどのクラブが降格するかがわからない熾烈な残留争いの渦中にいれば、チームの雰囲気を変えるためにも監督を交代していただろう。

 ただ、直近の2シーズンは残留争いに緊張感がない。となれば、無理をして監督を交代するよりも、シーズンオフに再び中・長期的なプランを組みなおして、新たな人物を新監督に招聘する方が最適な人事を行える可能性がある。

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!