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コラム 7か月前

小杉啓太は「長い間求めているタイプ」。アタランタへの移籍を躊躇するべきではない。懸念点があるとすれば?【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

今や欧州の強豪。小杉啓太の使い道は?

 アタランタは、イタリア経済の中心地ミラノを擁すロンバルディーア州の地方都市、ベルガモを本拠地とするクラブだ。かつては、育成に力を注ぐ、セリエAとセリエBを行き来するプロヴィンチャ(地方)の典型的なエレベータークラブであったが、2010年代から、リーグ屈指の強豪クラブに変貌を遂げた。

 2016年7月にジャン・ピエロ・ガスペリーニが監督に就任して以降、チームの定位置が、下位から上位へと移り変わったのだ。近年は、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも、頻繁にその名を見かけるようになった。

 23/24シーズンのUEFAヨーロッパリーグ(EL)では、スポルティングCP、リヴァプール、マルセイユといった欧州の名門クラブを次々となぎ倒し、決勝ではそれまで公式戦で「51戦無敗」だったバイエル・レヴァークーゼンに3-0と完勝。悲願の欧州初タイトルを手に入れている。今やビッグクラブにとって、脅威の存在だ。

 ガスペリーニが指揮するアタランタは、3-4-3の攻撃的スタイルを志向するチームである。指揮官の代名詞とも言えるこのフォーメーションは、守備ではマンマークを主体とし、攻撃ではサイドに重点を置く。

 同氏のサッカーの肝となるこのサイドに、小杉がマッチするとイタリアの複数のメディアが見ている。ガスペリーニは、3バックの左右2人にセンターバックを起用せず、対人よりもテクニックに長けたサイドバックを採用する傾向にあるが、大柄ではない小杉が、センターバックに取り込まれることはまずない。

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