アレクサンダー=アーノルドの決断
契約満了が近づく中で、アレクサンダー=アーノルドはクラブから何度もオファーがあった新契約にサインをしなかった。そして新たな挑戦を求めた。どのようなキャリアを歩むのかを選択するのは選手自身の権利であり、感情的な部分を除けば彼は何も悪いことをしていない。
また、他のクラブ出身ながら新契約にサインしたモハメド・サラーとフィルジル・ファン・ダイクとは対照的な形となり、契約満了となるタイミングも悪かった。
功労者に対してブーイングを浴びせるのは厳しいという人も一定数いるかもしれないが、これはアレクサンダー=アーノルドの過去の発言に対するアンサーなのだ。
ゴールや勝利、敗戦やブーイング。サポーターの“感情”が揺れ動く瞬間こそフットボールの醍醐味を感じられる場面であり、それがファンの正義だ。当然ながら、選手の人格を否定するような誹謗中傷はあってはならないが、試合中のブーイングや彼の功績を讃える拍手はすべて感情に紐づいた「愛」でしかない。
サポーターがこのような反応を示すことは、彼自身も理解をしていただろう。退団発表の際に応じたインタビューの中でも、「このニュースが多くの人を失望させ、怒らせ、動揺させることは完全に理解している。それでも、自分のために決断しなければならなかった」とコメントしており、非難を受ける覚悟の上で新たな挑戦を決めた。
この強い気持ちを次なる新天地で示すことができるだろうか。アレクサンダー=アーノルドの挑戦をリスペクトの心を込めて見守っていこう。
(文:安洋一郎)
【関連記事】
リバプール、最新年俸ランキング1〜20位
【リバプール・分析コラム】なぜ遠藤航の序列が下がったのか。新監督が求めるアンカー像とは
もう見たくない…。リバプールで嫌われすぎた選手6人