新たなワールドクラスの誕生
後半に入ると、左サイドバックのアイト=ヌーリがより内側でプレーするようになったため、ラインデルスは一層ビルドアップに関われないように思われた。
しかし、このオランダ代表MFにさらなる可能性を感じたのが、52分の得点シーンだ。左から右へと外回しでボールが渡るなか、相手のストッパーにマークされている右インサイドハーフのB・シウバは、あえて高い位置でステイ。そのタイミングで右サイド手前にまで流れてきた背番号4の前には、広大なスペースが広がっていた。
そのまま弧を描くように動いてパスを受けると、一気にスペースに運び出し、食いついた左WBの背後へ丁寧にパスを通す。シティの3点目が生まれた。早いテンポでのプレーのクオリティに関しては、ラインデルスは既に世界最高峰の選手である。
これまで見てきた通り、ラインデルスは、前方にスペースがあった方が輝ける選手だ。来季のシティのビルドアップの設計がどうなるかはわからない。例えばこの試合で両インサイドハーフが入れ替わったように、ビルドアップのパターンとして、初期配置に囚われない超流動的なポジションチェンジが組み込まれるならば、ラインデルス擁するシティの前進を防ぐことは非常に難しくなるだろう。
アイト=ヌーリとラインデルス。マンチェスター・シティのユニフォームが良く似合う、新たなワールドクラスの誕生だ。
(文:阪田天祐)
【関連記事】
【決勝トーナメント表】FIFAクラブワールドカップ2025
FIFAクラブワールドカップ2025 全試合日程・結果・視聴方法一覧
優勝候補はどこだ! FIFAクラブワールドカップ2025戦力値ランキング1〜5位。最も力があるのは?