PSGに勝利したチームから得るヒント
前進を許した後に問題となってくるのが、論点③ポケットのスペースをどう管理するか、である。
PSGの崩しの特長は2つ。大外に張る両ウイングの突破力により、相手サイドバックとのアイソレーションで優位に立てることと、サイドバックを釣りだして空けたスペース≒ポケットに、走り込む選手がいることである。
この問題を解決するのは難しい。ヴィニシウスとエムバペの守備負担が望めないマドリーは、4-3のローブロックで対抗しようとするも、構造上、幅を守り切れないのは明白だった。常にファーストDFの視野外の選手にアクションを起こされ、テンポよくパスを回され、目線を動かされ続け、マドリーの守備陣は疲弊していった。
こうして、マドリーは4失点を喫した。インテルも、アトレティコ・マドリードも、バイエルン・ミュンヘンも粉砕してきたPSGは、乱暴な集計ではあるが、これら4クラブを相手に合計15-0で勝利した。未だ、ヨーロッパのクラブでこの3つの論点を解決できたクラブは無い。
振り返ると、今季最終盤のPSGに一矢報いることができたのはボタフォゴだけだった。グループリーグ第2節にてウノゼロ勝利を収めたブラジルクラブの決定的に素晴らしかった点は、ウイングの守備意識(ウイングが中を締めながらインサイドハーフ流しにファーストを決める)と、前線6枚の繋がり(CFがゆっくりファーストを決め、ウイング・インサイドハーフ・アンカーの5人もCFと繋がりつつ中央3レーンを閉鎖)である。
決勝は日本時間14日午前4時にキックオフする。果たして、チェルシーはどのようなサッカーでPSGに立ち向かうのだろうか。
(文:阪田天祐)
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