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コラム 4か月前

プレミアリーグの勢力図に変化? 国内の”引き抜き”が多発している理由。新シーズンに向けた新たなトレンドとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

戦力拮抗から生まれた新たな補強トレンド

 ビッグ6が移籍金の支出ランキングの上位6位を独占している中で、例年との変化は国内からの引き抜きが多発しているということ。これは今夏の移籍市場におけるトレンドの1つである。

 昨シーズンにビッグ6が他の14クラブから選手を引き抜いた例は3件しかなかった。それが今夏はすでに2倍以上となる7件が成立。現時点での噂を見ると、今後もさらに多くの取引が成立しそうだ。

 この流れが発生している理由は明確だ。マンチェスター・ユナイテッドが15位、スパーズが17位でフィニッシュしたことからもわかるように、プレミアリーグにおける順位を争う相手はビッグ6だけではない。全チームがライバルなのだ。

 従って補強戦略を練るためには、自分たちの戦力アップを図るだけでなく、ライバルの戦力ダウンも考える必要がある。そこでいわゆる“中堅”と言われるクラブからの引き抜きが多発していると考えられる。

 すでに売り手からビッグ6に次ぐ買い手へと立場を変えているニューカッスルとアストン・ヴィラは主力を抜かれておらず、前者に関してはノッティンガム・フォレストからアンソニー・エランガを獲得。ブレントフォードからヨアン・ウィサの獲得も狙うなど、ビッグ6と同じようなムーブでの戦力強化を図っている。

 昨シーズンにプレミアリーグは昇格組を除いた「トップ17」とも言える勢力図になりかけていたが、これが引き抜きの多発によって変わる可能性もある。

 ただ、国内での引き抜きは高額な移籍金収入が見込めることから穴埋めを図るための投資も可能。これからフォレストやブレントフォードのような主力が引き抜かれたクラブは積極補強を行うはずだ。まずはどのクラブも戦力ダウンを最低限に留めたいところだろう。

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