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イタリアの首都クラブの1つで、スクデット獲得経験もあるラツィオが、かつてないほどの窮地に追い込まれている。今夏の補強が禁止されているのだ。クラウディオ・ロティート会長の退陣を求める声もより強まっているが、そもそもなぜ補強が許されないのか。その理由と、クラブの現状、そして新シーズンの展望を伝える。(文:佐藤徳和)
ラツィオは今夏の補強が許されず

【写真:Getty Images】
ラツィアーレの頭上に広がるローマの空が、曇天に覆われている。首都のクラブに完全な移籍禁止措置が下されたのだ。
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FIGC(イタリアサッカー連盟)が定める「流動性指数」「負債比率」「人件費比率」の3つの指標すべてに違反。トップチームのみならず、プリマヴェーラ(下部組織)も来年1月までの補強禁止となり、放出のみが可能という前代未聞の状況に陥った。
移籍市場を監視するCovisoc(プロクラブ監査委員会)は、3月31日までの中間財務報告を精査し、ラツィオがFIGCの財務健全性の3つの指標すべてに違反していると認定。これにより補強禁止処分が科された。
その内容は、「契約中の選手の獲得不可」「所属クラブのないフリーの選手も移籍は不可」「プリマヴェーラや23歳以下選手の補強も不可」という極めて厳しいもの。仮に、選手を売却、あるいは契約解除をしても、その穴を埋めることはできない。
メルカートで全く身動きができない中で、唯一許されるのは、選手の放出と下部組織からの内部昇格だけだ。今夏の移籍市場では、新選手を一切迎え入れることができないという非常事態である。
ラツィオは9月30日までに必要な是正を果たし、1月の市場で再び補強可能となることを目指す。