そもそもラツィオが違反したものは何?
「流動性指数」とは、2015年のパルマFC破産を受けて導入された指標で、1年以内の負債を現金など、短期資産でどれだけカバーできるかを示すものだ。
「負債比率」は、資産に対する負債の割合。「拡張人件費比率」は、選手やスタッフなどの人件費総額を収益で割ったものである。通常、「流動性指数」を満たしていない場合でも、同一の移籍期間内での売却によって得た資金を原資に補強することが可能だ。
しかし、「負債比率」と「拡張人件費比率」の2つの是正指標も満たさない場合、完全に移籍禁止となる。ラツィオはこの2つの指標も基準を超過し、いかなる補強も行うことが禁止となった。
クラウディオ・ロティート会長は、資本金の追加を否定している。必要な金額が非常に大きいため、増資は行わない方針のようだ。
例として、2024年12月時点での流動性指標0.35を基準値の0.8まで引き上げるには、少なくとも8000万ユーロ(約128億円)が必要とされている。過去を例に見ても、ラツィオ会長在任期間の20年において、自己資金による資金投入額が500万(約8億円)から1000万ユーロ(約16億円)を超えることはほとんどなかった。