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コラム 4か月前

「壁にぶち当たりに行く」鈴木唯人は逆境を糧にブンデスリーガへ駆け上がった。苦しい日々と引き換えに「必ずいいときが来る」【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「誰がどこで見てるか分からない」

「やっぱ見てくれてる人はいるんだなって。(別メニューだったときは)もちろん監督は見てくれてないんですけど、アシスタントコーチがフィジカルコーチはちゃんと必ず目を向けてくれてた。そこでコツコツ、自分が日々頑張っていたところを見てもらえていた」

 日々、努力を重ねていたからこそ、チャンスを掴むことができた。「やっぱり、運を掴むにはやることをやってないとなっていう。誰がどこで見てるか分からない」と、鈴木は高校生に向けて語っていた。

 時計の針を2023年の夏まで進める。ストラスブールへの期限付き移籍が満了となり、7月13日に清水への復帰が発表された。いくつかのクラブからオファーは届いていたというが、より良いオファーを待った末にブレンビーへの完全移籍を勝ち取った。

 1度目の経験を学びに変える。2度目の海外挑戦にあたり、1度目とは違う試みをしている。

「とりあえずサッカー以外のところで友達を作ろうと思った。今となってはめちゃくちゃデンマークに友達が多いんですけど、まずはデンマークに慣れて言語も習得して。サッカーよりまずそっちにフォーカスしていました」

 生活面の重要性は、これまでに学んできたこと。チームメイトの友達などのツテを辿り、現地で交友を深めた。カフェに赴いたりして友人たちとコミュニケーションを取ることで、現地になじむことができた。「そういったところから慣れていくことで、サッカーに間違いなく繋がってくる」ことを分かっていた。

 全国を制した市立船橋、J1の清水、いきなり5大リーグのリーグ・アン、そしてデンマークの強豪。移籍を考えるにあたり、鈴木は基準を持っている。

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