「誰がどこで見てるか分からない」
「やっぱ見てくれてる人はいるんだなって。(別メニューだったときは)もちろん監督は見てくれてないんですけど、アシスタントコーチがフィジカルコーチはちゃんと必ず目を向けてくれてた。そこでコツコツ、自分が日々頑張っていたところを見てもらえていた」
日々、努力を重ねていたからこそ、チャンスを掴むことができた。「やっぱり、運を掴むにはやることをやってないとなっていう。誰がどこで見てるか分からない」と、鈴木は高校生に向けて語っていた。
時計の針を2023年の夏まで進める。ストラスブールへの期限付き移籍が満了となり、7月13日に清水への復帰が発表された。いくつかのクラブからオファーは届いていたというが、より良いオファーを待った末にブレンビーへの完全移籍を勝ち取った。
1度目の経験を学びに変える。2度目の海外挑戦にあたり、1度目とは違う試みをしている。
「とりあえずサッカー以外のところで友達を作ろうと思った。今となってはめちゃくちゃデンマークに友達が多いんですけど、まずはデンマークに慣れて言語も習得して。サッカーよりまずそっちにフォーカスしていました」
生活面の重要性は、これまでに学んできたこと。チームメイトの友達などのツテを辿り、現地で交友を深めた。カフェに赴いたりして友人たちとコミュニケーションを取ることで、現地になじむことができた。「そういったところから慣れていくことで、サッカーに間違いなく繋がってくる」ことを分かっていた。
全国を制した市立船橋、J1の清水、いきなり5大リーグのリーグ・アン、そしてデンマークの強豪。移籍を考えるにあたり、鈴木は基準を持っている。