イタリア セリエA 最新ニュース
かつてセリエAにも在籍したSPALが破綻し、アマチュアリーグからの再スタートを余儀なくされた。彼らの意思は新たなクラブに受け継がれるが、クラブ名を再度使用することは叶わず、ファビオ・カペッロらを輩出したSPALはこれで消滅ということになる。なぜ、地獄に落ちたのか。その経緯を詳しく解説する。(文:佐藤徳和)
SPALが消滅へ

【写真:Getty Images】
イタリアの歴史あるクラブがまたしても破綻した。『ソチェター・ポリスポルティーヴァ・アルス・エト・ラボール』、通称SPAL。1907年創設の長い歴史を持つクラブが、アマチュアリーグからの再スタートを余儀なくされた。
ブレッシャ・カルチョ、ルッケーゼ(トスカーナ州ルッカが本拠地、昨季はセリエC)に続く破綻。この夏、イタリア・プロリーグからの除外を言い渡された3つ目のクラブとなってしまった。
SPALは、ラテン語で「芸術と労働の複合スポーツクラブ」を意味し、頭文字を取ったイタリアでは特異なクラブ名だった。新しく生まれ変わったクラブは、これまでの名称を使用することができず、『アルス・エト・ラボール・フェッラーラ(芸術と労働)』の名で、エッチェッレンツァ(5部リーグ)のアマチュアリーグから、プロリーグ復帰を目指す。
24/25シーズンはセリエCグループBを17位で終え、同18位ミラン・フトゥーロ(ミランのリザーブチーム)とのプレーアウトの戦いを強いられた。
5月10日の敵地での初戦は0-1と敗北を喫したが、17日の本拠地での第2戦は、2-0と勝利を収め、セリエD降格を回避。九死に一生を得て、プロリーグにとどまることとなった。
しかし、安堵の時間は長くは続かなかった。