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コラム 4か月前

イタリアで立て続けに起きる悲劇。SPALがついに“消滅”へ。セリエA経験もあるクラブが、地獄へと落ちた原因は【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

ウルトラスからの罵声に会長がまさかの行動に

ジョー・タコピーナ会長
【写真:Getty Images】

 6月6日、メディアが、SPALの降格と破産の可能性を報じる。その理由は、ジョー・タコピーナ会長が、リーグへの登録に必要とされる約300万ユーロ(約4.8億円)と70万ユーロ(約1.1億円)の保証金を支払わなかったためだ。ニューヨークを拠点とするアメリカ人会長からは、金銭だけでなく、説明も届かず、サポーターの不安は増していった。

 タコピーナがイタリア・サッカー界に足を踏み入れたのは、2011年。ASローマのトーマス・ディベネデット政権下において、取締役会の正式メンバーとなり、副会長も兼任した。

 辞任後には、2014年にボローニャFCの会長に就任。しかし、現在もオーナーを務めるジョーイ・サプートと対立し、350万ユーロ(約5.6億円)の退職金を得て、クラブを去った。2015年には、水の都を本拠地とするヴェネツィアの筆頭株主に。セリエDからセリエBまで昇格させたが、2020年、株式と会長職を手放した。

 そして、その翌年の8月13日に、当時セリエBに在籍していたSPALの会長に就いた。

 就任1年目のシーズンを15位で終えると、翌22/23シーズンは、19位。セリエC降格が決まった2023年5月13日のパルマ戦をメインスタンドで観戦し、ウルトラスから罵声を浴びると、彼らに向かって中指を立てる愚行におよんだ。

 さらに、チームは下降線をたどり、23/24シーズンは3部リーグで11位。昨シーズンは、リーグ戦の成績では降格を免れたものの、リーグ登録上の規定を満たせず、セミプロリーグ、セリエDの下位リーグにあたるエッチェッレンツァへの降格となった。

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