フットボールチャンネル

コラム 4か月前

マンUは何が変わって、何が変わっていない? アーセナルを圧倒した方法とそれでも負けた理由とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

「インスイング」のクロスがコーナーキックのトレンドに

 今節の対戦相手であるアーセナルのニコラ・ジョバーとアストン・ヴィラのオースティン・マクフィーがプレミアリーグで最も評価されているセットプレーコーチである。細かいディテールの部分やアプローチは異なるが、コーナーキックの際にインスイングでクロスを入れていることは共通している。

 最先端を走る彼らが所属するチームがインスイングのクロスを多用したことで、これはプレミアリーグ全体に浸透した。

『Sky Sports』が公開した記事によると、2024/25シーズンにコーナーキックでインスイングよりもアウトサイドのクロスを送る割合が高かったのはフラムのみ。残りの19チームがインスイングのクロスを好んでいる。

 すなわち、ほとんどのチームがCKの際にゴール方向へ向かうクロスボールを蹴っており、GKにはクロスをカットする能力やハイボールでの安定感が求められている。

 その点においてマンチェスター・ユナイテッドのオナナとバユンドゥルは一抹の不安を抱えている。

 今夏のプレミアリーグではセカンドGKを入れ替えているチームが多く、アーセナルはネトからケパ・アリサバラガ、ニューカッスル・ユナイテッドはマルティン・ドゥブラフカからアーロン・ラムズデール、アストン・ヴィラはロビン・オルセンからマルコ・ビゾと明確なアップデートに成功している。

 こういったチームもある中で、何も手を加えないまま新シーズンが開幕したのは反省材料だろう。今からでも遅くない。セービングはもちろん、既存のGKが抱える課題を解決できる選手の獲得に乗り出すべきだ。

 しかし、現状はあまり期待できないかもしれない。アーセナル戦後の記者会見で、GK問題について問われたアモリム監督はやや感情的になりながら、最後に「3人のGKに満足していますか?」の質問に「満足している」と回答した。

 ファンはこれが本音ではないことを祈っているはずだ。現状の課題を解決できるGKを獲得して初めて、アモリムの「どんな相手にも勝てる資質を持っている」という発言の説得力が増すだろう。

【関連記事】
言い訳ができない1年が始まったアーセナル。ギェケレシュが最前線に加わったことによる“変化”と“課題“とは【分析コラム】
マンチェスター・ユナイテッドはそれでいいのか。シェシュコ獲得に抱く大きな疑問。最悪だった昨季からの反省は?【コラム】
記憶から消したい…。マンチェスター・ユナイテッド、最悪の補強ランキング1〜5位

【了】

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!