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コラム 3か月前

久保建英が導くレアル・ソシエダの新攻撃。日本が誇る先手マシーンがもたらす局面の優位性【東大分析官の視点】

シリーズ:東大分析官の視点 text by 阪田天祐 photo by Getty Images

勝敗の鍵を握る久保建英の活かし方

 56分にはスチッチと交代で、ストライカータイプのFWオーリ・オスカールソンが投入され、空いた右IHはオヤルサバルが務めることに。

 気の利いたポジショニングが可能で、味方と近い距離での連係プレーを好む同選手の右サイドへの移動は、それ以降の攻撃の起点が右サイドに移ることを意味していた。

 そして61分。右大外でボールを引き取った久保は、相手のスライド方向の逆を突くように内側へ運び、ボールを左サイドに展開。久保のパスから一気にスピードアップすると、最後は左大外から抜け出したバレネチェアが仕留め、1点を返した。

 さらに69分には、再び久保が右サイドでボールを引き取ると、手で相手を抑えながら力強く中に運び、近い距離で胸を合わせるオヤルサバルにパス。

 オヤルサバルは素早い反転からDFラインの裏にスルーパスを供給し、飛び出したオスカールソンがゴール左隅にシュート。右大外に張ってボールを受け、中に入りながら先手を取る久保のプレーから、2点目が生まれたのだった。

 こうして久保は、チームに優位性を与え続け、勝ち点1をもたらした。

 この試合を終えて、攻撃陣の流動化は、同選手が結果を残せる選手になるために必要な戦術だが、日本が誇る“先手マシーン”をフル活用するためには、彼によりスペースを与えてあげられるような策も不可欠であることがわかる。

 それは今回のようにIHとの関係性を改善しても良いし、SBをもっと攻撃参加させても良いだろう。

 いずれにせよ、スペースを与えられた今の背番号14を止められるチームは少ない。今季もソシエダの久保から、目が離せない。

(文:阪田天祐)

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