先制点を挙げた武田英寿も評価「それで（ゴール前に入るのが）間に合った」

　そして、小林からのパスを受けた荒木は「ファーに相良（竜之介）選手がいて、真ん中から武田（英寿）選手が走ってくるのが見えてたんで、ワントラップして出そうかなと思っていたんですけど、武田選手が2列目からすごい勢いで走ってくるように見えて、そこに上げれば良いかなと思って、イメージ通りでした」と武田へクロスを送ると、武田が叩きつけるヘディングシュートでゴールを決めた。

　後半は千葉も決定機をつくったが、仙台は全員が球際の強さ、切り替えの早さで相手に負けなかった。蒸し暑い気候の中「決してね、戦術的な交代じゃなく、もう（足が）つったやつから交代」と森山佳郎監督が正直に語る通り、足がつった選手を次々と交代する形とはなったが、代わった選手も自らの役割を全うし、1-0で勝利。プレーオフ圏内の6位となり、2位の千葉との勝点差を2に詰め、J1自動昇格の可能性も残す大きな勝利となった。

　長い距離を走り、結果的には先制ゴールが決勝点となった武田はゴールに至るまでの一連の流れを見ながら「大夢が奪って、心君が持った時に、駿太君が右に行ったので、どうなるかなと思ったんですけど、もう走り出したからには行くしかないと思って、前に入ったら、すごく良いボールが来たので、迷い無く入れて、それが良かったと思います」と振り返った。

　そして、小林のドリブル突破については「あの場面で程よく時間をかけてくれたので、それで（ゴール前に入るのが）間に合ったというのもあります」と小林のドリブルがうまく時間をつくってくれたと語る。

　森山監督も小林が攻撃の起点となって、うまく周りの選手がサポートできる時間をつくってくれるプレーを大いに評価した。