「今日の試合で本当に何かきっかけをつかんだ」

「どちらかと言うと、僕がスルーパスに抜け出すという感じはイメージしていたんですけど、でも僕の背後への動きは、絶対（相手が）ケアしてくるというのは分かっていたので、背後に抜けるタイミングで奥山（政幸）選手に足下に入れてもらって、そこでうまくターンして、駿太君が最後受けていたので、ああいう形も今後増やしていきたいなとは思いました」。小林自身が背後を突くと見せかけて、周りに背後のスペースを突かせるというプレーを見せ、意表を突く形となった。

　こうしてプレーの幅を見せられたことで、小林も大きな手応えを感じている様子だった。「今日の試合で本当に何かきっかけをつかんだというか、背後だけじゃないというのを見せられたと思います。守備の部分でも相手を困らせるようなプレーは背後だけじゃないという部分も見せられたので、そういう部分で大きかったと思います」。背後を狙うだけでなく、攻撃の起点となるプレー、決定機をつくり出すプレー、周囲を使うプレーを出せるようになったことで、先発起用でも期待に応えられるところを見せられた。

　周囲を使うプレーについて、小林はこのようにも語る。

「それはもう本当に高知時代の前監督である吉本（岳史）さん（現・アルビレックス新潟コーチ）やコーチ陣からこういう部分で、（中盤に）落ちるタイミングだったり、間で受けたりという部分を教わって、その高知の2年間が僕にとっても、チーム全体としてもプラスだったので、そういった部分が今日の試合で出せたので、本当に自分にとっても、今後その1つのきっかけになる試合、プレーだったなと思いました」。高知でJFLを戦っていた時に吉本前監督から学んだことを思い出し、それが活きたのだという。

　得点を取る部分に関しては、高知で小林がハットトリックを達成したJ3の第10節・福島ユナイテッドFC戦で話を聞く機会があったが、その時にこのように語っている。