「引退するまでチャレンジし続けたい」
迎えた2023シーズン。19ゴールを叩き出してJ3リーグ得点王を獲得し、オフに秋田からのオファーを受けた小松はJ2への再挑戦を決めた。胸中には「年齢が年齢なので時間がないけど、引退するまでチャレンジし続けたい」といまも目標として抱き続ける、日本代表や海外でのプレーが刻まれていた。
秋田で背番号10を背負った昨シーズン。チームトップタイの6ゴールをあげた小松は、そのうち5ゴールを最後の8試合で決めた。そして、大きな手応えは今シーズンの飛躍へつながった。
開幕から5試合連続で計6ゴールを量産した小松は、2・3月のJ2月間MVPを獲得。6月22日のモンテディオ山形戦では、J2で自身初の2桁ゴールに到達させた。そして、J2得点ランキングでトップタイだった7月5日の水戸ホーリーホック戦を最後に、小松はついにJ1へのステップアップを果たした。
前線に怪我人が続出していた神戸からラブコールを受けた小松は、加入に際してこう語っている。
「自分の一番の武器はヘディング。とにかくヘディングでのゴールが得意なので、そこを見てほしい」
ただ単に空中戦に強いだけではない。相手ゴール前へ侵入していくパターンや、対峙するディフェンダーとの駆け引きを含めて、長い時間をかけて磨きあげてきたからこそ絶対的な自信を寄せる。天皇杯準々決勝で神戸を救い、延長戦を経てPK戦の末につかみ取った勝利に貢献した小松は反省の言葉も忘れない。