「この先も難しい試合、大事な試合が続きます」

　その後、千葉がスライドの速さや強度、全体をコンパクトに注力すると相手を圧倒。サポーターのボルテージも最高潮に達していく。

　69分にはMFイサカ・ゼインのクロスに飛び込んだFW呉屋大翔が右足ボレーで合わせたが、相手キーパーのファインセーブに遭うなど、後半だけで12本ものシュートを打ったがダメ押し弾を生み出すことはできなかった。

　リーグ戦も残り10試合となり終盤戦となるが、状況を考慮すれば勝ち点だけでなく得失点差を1つでも多く積まなければいけないのが現実的に重要なところだ。

　カルリーニョス・ジュニオにはチームをJ1昇格に導く覚悟がある。だからこそあえて勝利へのディティールにこだわる。

「この先も難しい試合、大事な試合が続きます。チャンスで、しっかり得点を獲ることができていれば全体的な試合運びが楽になります。より効果的な攻撃を目指したいと思っています。今日もたくさん良いシーンはありましたが、チームとして決め切ることを大事にしていかなければいけないと思っています」

　千葉は欲していた勝ち点3を手に入れ、試合後に勝鬨を上げた。日が沈んでもなお熱気がこもるスタジアムの温度がさらに上昇した。真夏の夜空の下では選手の活躍を称えるサポーターの声が響いていた。

（取材・文：石田達也）

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