一進一退の攻防となった両者の戦い
それでも、チーム自体は主導権を握る。18分には、久保からペナルティエリア(PA)内でパスを引き出した小泉が安藤智哉に引っかけられ、PKをゲット。これをエース・細谷が決めていたら、柏は早い段階で優位に立っていたが、シュートはまさかのGK正面。千載一遇の先制のチャンスをフイにする形になってしまった。
その後、リスタートから福岡の上島拓巳に1点を奪われ、前半はリードを許したまま終わりそうな雲行きだった。窮地を救ったのは久保。前半アディショナルタイムに左の小屋松知哉からのクロスに飛び込んで、ヘッドをお見舞い。1−1に追いついて試合を折り返すことに成功した。
迎えた後半。福岡も攻撃のギアを上げてきたが、柏も応戦。一進一退の攻防が続く中、72分に勝負を左右する重要局面が訪れる。右サイドを上がった原田亘から中央の中川敦瑛にボールが渡ると、そこから縦パスがPA内の瀬川へ。背番号20は左足でトラップして右足ヒールで流すという高度なテクニックを披露する。次の瞬間、細谷が背後を抜け出し、再び安藤のファウルを誘って、この日2度目のPKを奪ったのである。