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J1 3か月前

明らかな異変。FC町田ゼルビアの守備崩壊はなぜ起きた?「頭を抱えなければならない事態」「対応が僕自身足りなかった」【コラム】

シリーズ:コラム text by 大島和人 photo by Getty Images

「一番の理由です。頭を抱えなければならない事態」

 5失点して敗れたあとに、敗因を饒舌に語る選手などいない。ただ、選手や監督のコメントを借りなくても、川崎戦の敗因はかなり分かりやすいものだった。まず1対1の劣勢からフィニッシュに持ち込まれたこと。もう一つはGKと3バックの連携が十分に取れていなかったことだ。

 町田の3バック中央にはこれまで岡村大八、菊池流帆が主に配置されてきた。二人は「1対1のバトル」に無類の強みを発揮するタイプで、J1レベルのFWならば高さやパワーで負けることがない。しかし岡村は累積警告で川崎戦が出場停止で、菊池も負傷で不在だった。

 右ドレシェヴィッチ、中央・昌子、左・中山の3バックは、鹿島に3-0で快勝した4日前の天皇杯と同じ並びだ。それぞれの能力が決して低いわけではない。

 とはいえ川崎戦は重戦車系のエリソンに対して、明らかに分が悪くても、配置的に昌子がメインで対応せざるを得なかった。

 さらにGK谷晃生も、菊池と同様に不在だった。

 試合後の黒田監督は二人の欠場についてこう述べている。

「ケガが(二人にあって)、どうしても出られないような状況になってしまったことが一番の理由です。短期であれ、長期であれ、我々として頭を抱えなければならない事態ということは一つあります」

 町田の不敗期間を振り返ると、谷の活躍で「勝ち点0、1が3になった」試合がいくつもある。そこには「DFとの連携」も大きく作用していたはずだ。GKは「DFがここは消してくれる」と信頼し、DFは「ここさえ切ればあとはGKが止めてくれる」と割り切って対応をする。町田の3バックにそういった「阿吽の呼吸」が揃い始めたことで、昨季は苦しんだ夏場に堅守を実現できていた。

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