涙を浮かべる昌子源。どうすればカバーできたのか?
誰が出ても同じようにサッカーができれば理想だ。「誰かがいなかったから」という分析が、実際にプレーした選手に失礼な言い方であることも理解はしている。とはいえ谷が町田の守備にとって代えの効かない存在であることは断言していいだろう。谷の不在は「個人の不在」という以上に、GKと3バックの連携を狂わせていた。
現時点でクラブから菊池と谷の負傷についてリリースはなく、全治も不明だ。ただ、川崎戦は彼らの不在がはっきり影響した。そこはシンプルに事実だ。
試合後の昌子はサポーターへの挨拶に涙を浮かべて登場し、ミックスゾーンも引き止める記者に対して言葉を発しないまま通過した。とはいえ彼はチームのキャプテンで、左CBとして攻守両面の貢献が大きかったし、誰もが認める町田躍進の立役者だ。この1試合で彼の評価を云々するのはフェアではないだろう。
それにチームスポーツである以上「個人のミス」で終わらせてはいけないし、仲間がどうカバーできたのか?という視点も必要になる。ボランチの前寛之はこう口にしていた。
「ボランチとCBのリスク管理の形は、もう少し相手を見て柔軟に対応できたと思っています。エリソン選手が前半から嫌なカウンターの起点になっていたけれど、その前にボランチがスクリーンになって失点を防げたところはありました。分が悪いところを理解するのであれば、そこを消しに行かなければいけません。『DFライン、頼むよ』という簡単な解決には終わらせたくないし、試合の中で変化させていく対応が僕自身足りなかったです」