「トラップした瞬間に入ると思いました」
22分にDFマリウス・ホイブラーテンの縦パスをMF松本泰志が右サイドバックの関根に落とすと、一切の迷いもなく前線の中島のもとへ正確なロングボールを送る。中島は右足を伸ばし完璧なトラップを見せ、シュートポジションにボールを転がすと、飛び出してきたGK山口瑠伊の動きを冷静に見極め右足アウトサイドでのループシュートを放ちゴールネットを揺らして見せた。
「(中島の)動き出しが見えていたので、しっかり合わせられました。そこは見落とさないようにしていましたし、自分が良い状況でボールを持てるシーンはあまりないと思っていたので、見られるときはそこを意識しながらプレーしていました」と貴重なゴールをお膳立てした関根は、そう振り返った。
その瞬間に関根と目が合ったとは思うが、ここにパスが来るだろうと仲間を信じて裏抜けしたことも大きな要因でもあった。中島は「狙っていましたし、決めるだけでした」と言い、完璧なコントロールでのファーストタッチについては「ボールが良いからトラップできるんです。トラップした瞬間に入ると思いました」と関根の高精度パスに謝意を表した。
また、マチェイ・スコルジャ監督は、「タカ(関根)の賢いパスと翔哉の良いシュートが合わさった」と称えたが、初出場や初先発、そして出場機会に恵まれなかった選手に自信と勇気を与える大きな1点になったことは間違いない。